【コインチェックの裏話】あやしい会社?再開後は使っても安心?

コインチェックのロゴ

コインチェックとは

コインチェックのサービス

出典:コインチェック

コインチェックは、仮想通貨の販売と取引を行う企業です。

タレントの出川哲郎さんが出演していたCMや、2018年に仮想通貨のNEM(ネム)が流出してしまった事件でその名前を知った方も多いかもしれません。

現在は証券会社のマネックスグループに買収されましたが、いったいどのような会社なのでしょうか。

またネム流出事件で取引停止に至ってしまいましたが、コインチェックに未来はあるのでしょうか。

創業者は「天才プログラマー」と評された和田晃一良さん

和田晃一良さん

出典:THE BRIDGE

コインチェックは、プログラマーの和田晃一良(わだ・こういちろう)さんが2012年に創業した会社です。

和田さんは東京工業大学に在学中、アプリ開発を始めます。クックパッド主催の開発コンテストなどで優勝するなど、若き天才プログラマーとしてその名をとどろかせていました。

その後、レジュプレス株式会社というIT企業の立ち上げに参画し、代表取締役に就任します。

就職活動時には大手ITベンチャー企業のサイバーエージェントに内定をもらっていたそうですが、和田さんは経営に専念するため大学を中退します。

『ビリギャル』を生んだ会社が運営

コインチェックは今でこそ仮想通貨取引所として知られていますが、レジュプレス時代はまったく別の事業を行う会社でした。

もともとはSTORYS.JPという物語投稿サイトから事業を開始しています。

かつて話題になった『ビリギャル』を覚えている人も多いかもしれませんが、実はあの話もコインチェックが運営していたサイトから生まれたのです。

STORY.JPは2017年に事業譲渡をし、現在は仮想通貨を事業の軸に置いているコインチェックですが、なぜ仮想通貨をはじめたのでしょうか。

コインチェックが仮想通貨を始めるきっかけとなった「ゴックス事件」

コインチェックが仮想通貨事業を立ち上げるきっかけとなったのは、2014年当時に世界最大規模をほこっていた取引所「MTGOX(マウントゴックス)」が破綻(はたん)してしまった事件です。

「ゴックス事件」とも呼ばれるこの事件では、マウントゴックスが管理していたビットコインがハッキングされ盗まれてしまいました。その額なんと470億円相当。

社長のマルク・カルプレスさんの「まあ、システムに、弱いところがあって。まあ、ビットコインが、まあ、いなくなって」と、たどたどしい日本語で行われた会見はネット上でも話題を呼びました。

この一件で仮想通貨は「あやしいお金」「安全じゃない」と、世間から冷ややかな目を浴びることになりましたが、創業者の和田さんは逆にこれをチャンスと見ます。

マウントゴックスの破綻があったからこそ、大企業や上場している企業は参入できない領域だった。スタートアップからすると逆にチャンス。

出典:ビジネスインサイダージャパン

当時はビリギャル効果もあり、STORYS.JPが急成長を遂げていた時期でもあったのと、金融業界での経験がない和田さんが仮想通貨を始めるということで投資家からは厳しい反応が寄せられました。

しかし、反対をかえりみることなく、和田さんは猛スピードで開発に取り掛かります。

ゴックス事件が起きたのは2014年の3月。その約5カ月後の8月にビットコイン取引所サービス「Coincheck(コインチェック)」が誕生しました。

コインチェックが使われた理由とメリット

仮想通貨業界に新しい風を吹かせ、急成長を遂げたコインチェックは、日本のみならず国際的にも代表的な仮想通貨取引所になりました。

一時は国内最大規模の170万口座を抱え、2017年12月期の取引高は3兆9000億円にも及んでいたと言われています。

注意
2018年8月現在、コインチェックの新規での口座開設は停止されています。

和田さんはコインチェックが広く受け入れられた理由として、「扱う仮想通貨の種類が多いこと」を挙げていますが、ほかにも理由がありそうです。

「日本一使いやすい仮想通貨取引所」

コインチェックの強みはなんといってもアプリの使いやすさです。

そもそもコインチェックは「日本一使いやすい仮想通貨取引所」を目指して開発されたアプリです。

仮想通貨を始めたばかりだと、「何を操作すればわからない」という人もいるかもしれません。しかし、コインチェックは仮想通貨の購入から売却まで簡単に行えるのが魅力でした。

まだまだ仮想通貨に対してあやしいイメージを持つ人も多いなか、コインチェックのデザインはおしゃれでチャートも見やすいので、多くの投資初心者や学生にも受け入れられました。

出川哲郎さんのCMで知名度上昇

また最初にも述べたように、コインチェックはタレントの出川哲郎さんを起用したCMを2017年末より放映していました。

兄さん、なんでビットコイン取引はコインチェックがいいんだよ?
兄さんが知らないはずないだろう

出川さんが一人二役をつとめユーモラスな掛け合いが話題となったこのCM。覚えている人も多いのではないでしょうか。

当時、仮想通貨のCMを放映していたのはコインチェックとビットフライヤーだけだったので、仮想通貨そのものの知名度も上げるきっかけとなりました。

また、2018年1月には出川さんの写真がプリントされた宣伝トラックも運行されており、コインチェックは相当収益をあげていたことがうかがえます。

ネム流出事件でコインチェックは有名に

仮想通貨のNEMが流出

ユーザー数の上昇、CMの放映、宣伝トラックの運行。
広く名をはせることとなったコインチェックですが、2018年1月26日にその日は訪れます。

26日の11時58分
コインチェックから仮想通貨の一種であるNEM(ネム)の「入金制限を求めるお知らせ」が、コインチェックの公式ツイッターで発表されました。

このツイートを機に、「NEMの入金・売買・出金の停止」「日本円を含む全通貨の出金停止のお知らせ」など、次々とユーザーの不安をあおるお知らせが届きます。

「ハッキング被害じゃない?」「大丈夫だよ、一時停止だから」とさまざまな憶測が飛び交うなか、私もツイッターの情報やニュースを食い入るように見ていたのを思い出します。

正式にハッキングだと分かったのは、最初の発表から約8時間後の20時27分

NEMを開発したNEM財団のLon Wong(ロン・ウォン)さんが「コインチェックがハッキングされたのは残念だ」とツイートしたことにより、ユーザーも事態を理解することになります。

その被害額はなんと約580億円。金額としてはマウントゴックスの470億円を上回る、過去最大規模の流出だと発覚してしまいます。

事件当時はCM効果もあり、仮想通貨をよく知らない初心者も多数参入していたころです。これを読んでいる人のなかにも、「なんてものに手を出してしまったのか」と後悔を感じていた人もいるかもしれません。

ネム流出事件の経緯

日時できごと
1月26日
11時58分
コインチェックがNEMの入金制限を行う
1月26日
12時38分
NEMの入金・売買・出金が一時停止
1月26日
16時37分
日本円を含む全通貨の出金が停止
1月26日
18時54分
クレジットカード、ペイジー入金、コンビニ入金が停止
1月26日
19時31分
アフィリエイトプログラムの停止
1月26日
20時27分
NEM財団のLon Wongさんが、コインチェックがハッキングされたことを知らせるツイートを行う
1月26日
23時30分
CEOの和田さんと、COOの大塚さんが記者会見を実施
1月28日
0時
NEM保有者に対してNEM保有分を日本円で返金することを発表
1月29日金融庁がコインチェックを行政処分に
2月2日金融庁がコインチェックを立ち入り検査
2月13日金融相が業務改善命令の報告書を提出。日本円の出金を再開
3月8日金融庁による2回目の行政処分
3月12日NEM保有者に対して日本円で補償

なぜネムは流出したの?コインチェックが取るべきだった対策方法

コインチェックが取るべきだったセキュリティ対策

過去最大規模の仮想通貨を流出させてしまったコインチェック。なぜ大手の取引所にもかかわらず、ハッキング被害にあってしまったのでしょうか。

取締役COOを当時つとめていた大塚雄介さんは会見時、以下のように語っています。

外部の攻撃者が当社従業員の端末、パソコンにマルウェアを仕込み感染させました。続いて、その感染したマルウェアを使って外部ネットワークから当社のネットワークに侵入を試みました。

外部ネットワークから当社のネットワークに侵入し、NEMのサーバーにアクセスし、NEMのサーバーの秘密鍵を摂取し、その秘密鍵を持ってNEMを不正送金させたということが想定されております。

出典:ログミー

そもそも仮想通貨取引所では、不正アクセスによる被害を防ぐため、念入りにセキュリティ対策を行う必要があります。

ハッキング防止策としては、大きく3つの手段があります。「二段階認証」「コールドウォレットでの管理」「マルチシグ」です。

二段階認証

「二段階認証」とは、取引所へのログインをする際に、IDとパスワードに加えてセキュリティーコードを使って本人認証を行うことです。

コインチェックもこの二段階認証は採用していました。

マルチシグ

マルチシグとは、仮想通貨の秘密鍵を複数に分けて管理する方法です。

そもそも仮想通貨には、セキュリティ保護をするための「秘密鍵」「公開鍵」のふたつの鍵があります。

公開鍵は、送金取引をする際に必要になる鍵です。
たとえば、AさんからBさんに1BTC(ビットコイン)を送金する際に、Aさんが公開鍵を使うと「Aさんは1BTCをBさんに送った」などの送金取引の情報を誰もが確認することができます。

秘密鍵は、仮想通貨の所有権を証明するための鍵です。イメージとしては銀行の暗証番号のようなもので、自分以外の人に知らせてはいけません。

通常、秘密鍵は一台のパソコンに一つのパスワードが保管されている場合が多いです。そのため、パスワードをハックされてしまうとすべての仮想通貨を失ってしまうリスクがあります。

しかしマルチシグの場合は秘密鍵が複数あり、それらを別々の場所で管理するので、仮に一つのパスワードが流出したとしても仮想通貨の盗難被害を防ぐことができます。

このマルチシグは技術的な問題からコインチェックは採用していませんでした。

コールドウォレットで仮想通貨を管理

また、仮想通貨を盗まれないためにコールドウォレットという手法もあります。

コールドウォレットとは、公開鍵と秘密鍵をインターネットに接続しない環境で管理することです。インターネット上につながった状態で仮想通貨を管理するとハッキング被害のリスクが高まるので、コールドウォレットではそれを防止することができます。

しかし、コインチェックは常時ネットワークに接続された「ホットウォレット」でネムを管理していました。そのためセキュリティ対策を怠っていたとして、ユーザーから非難を浴びることになります。

コインチェックが被害にあった理由

コインチェックが狙われた理由

コインチェックがハッキング対象になった理由を、一般社団法人「ブロックチェーン推進協会(BCCC)」の副代表理事の杉井靖典さんが以下のように分析しています。

マウントゴックスも当時、世界一の取引高だった。やっぱりトップランナーは狙われやすい。額の大小はあれ、最大級と言われる取引所は軒並み狙われて紛失しています。

世界の仮想通貨取引の4割を占めるのが日本だと言われていて、(コインチェックは)そのなかでも最大級のと取引所だから、目立って狙われやすいところにはあったと思います。

出典:バズフィードニュース

あの芸能人も被害に

不幸にもコインチェックの知名度を上げることとなったネム流出事件ですが、多くの芸能人も被害にあっています。

とくに有名なのが、お笑い芸人の藤崎マーケットのトキさん

トキさんは2017年12月に仮想通貨をはじめましたが、貯金のほぼすべてをコインチェックに預けていたそう。流出に対して相当なショックを受けたようで、トキさんが被害後からツイートしていた「コインチェックにてNEM盗られ日記」は多くの反響を呼びました。

ほかにもサバンナの八木真澄さんや平成ノブシコブシの吉村崇さんなども被害にあっていました。

コインチェックの返金対応

コインチェックの返金

問題発生から約1カ月半後の3月12日、ネムを保有していたユーザーへの補償が行われます。

補償はネムではなく、日本円で振り込まれました。26万人を対象にした補償額は約463億円。

実は私もコインチェックでネムを保有していたのですが、このようなメールがコインチェックから届きました。
コインチェックのメール
463億円をすべて自己資金でまかなったので、ここからも仮想通貨取引所として相当な利益をあげていたと推測ができます。

マネックスに買収されたコインチェック

コインチェックはマネックス傘下に

コインチェックは、金融庁によって行政処分を受けたあと、マネックスに買収されマネックスグループの傘下に入ります。CEOの和田さんとCOOの大塚さんは経営責任をとり、取締役を退任しましたが、コインチェックの開発や進行は引き続き行うそうです。

また、マネックスが買収したあとも「コインチェック」という名称は存続されます。

マネックスとは

そもそも、コインチェックを買収したマネックスはどのような会社なのでしょうか。整理してみました。

マネックスはゴールドマン・サックス出身の実業家、松本大(まつもと・おおき)さんとソニーが立ち上げた証券会社「マネックス証券」を軸とする金融グループです。

1998年にゴールドマン・サックスの同僚と立ち上げたマネックスは、メンバーが4人で健康保険組合にも入れない、システム担当がいないという厳しい状況でした。

しかし、会社設立からわずか半年足らずでサービスを開発します。コインチェックもゴックス事件から約半年でコインチェックのサービスを開始しているようにどこか似ている部分があるかもしれません

買収額36億円は安い?高い?マネックスがコインチェックを買収した理由

買収額は36億円

コインチェックはマネックスによって36億円で買収されました。この金額は買収額としては適正なのでしょうか。

実際、コインチェックの信頼はネム流出事件の時点で失われています。

しかし、仮想通貨はゴールドマン・サックスCEOのロイド・ブランクファインさんなども普及拡大を予測していることからも、今後市場は伸びていくと考えられます。

そのためコインチェックが持つ「日本一使いやすい仮想通貨取引所」は、マネックスにとってこの先も価値のある資産になるでしょう。

さらに460億円もの補償金を支払うことができた会社を買収したことは、マネックスにとっては安い買い物だったと言えるかもしれません。

取引再開のめどは?コインチェックが歩む未来

コインチェックの未来

コインチェックは2018年8月に再開予定とされています。

当然ながらセキュリティの強化など対応すべきことは多くありますが、マネックスは今後アメリカにて仮想通貨事業を始めることを発表しています。

国内だけで成長を続けていたコインチェックですが、今後市場が広がることには期待ができそうです。

コインチェックに代わるおすすめの取引所

仮想通貨取引をする際に一番重要なのがセキュリティです。

たとえ仮想通貨で多くのお金を稼いだとしても、コインチェックのようにハッキングをされてしまったら元も子もありません。セキュリティがしっかりとしている取引所を選びましょう。

通貨の管理対策がすごい!GMOコイン

GMOコインは、GMOインターネットが親会社の取引所です。GMOインターネットの情報セキュリティによって守られているところがおすすめポイントです。

また、特徴的なのが顧客の資産と会社の資産を分別管理しているところ。GMOコインが保有する仮想通貨と顧客が保有する仮想通貨は別々の場所で管理されています。

取り扱う仮想通貨は5種類。コインチェックと比べると少ないですが、安全に儲けることを考えたらGMOコインを使うのが安心でしょう。

セキュリティ対策室を設置!Zaif(ザイフ)

Zaif(ザイフ)は大阪を拠点とするテックビューロ株式会社が運営する仮想通貨販売所・取引所です。

セキュリティ強化のためにコールドウォレットを優先的に使用するほか、専門家を呼んでセキュリティ対策室を立ち上げるなど、ユーザーの仮想通貨を守るためにさまざまな策を尽くしています。

コインチェックのまとめ

  • コインチェックはプログラマーの和田晃一良さんが創業
  • もともとはビリギャルを生んだ「STORYS.JP」を運営していた
  • マウントゴックス事件を機に仮想通貨事業に参入
  • 見やすいデザインと使いやすさからコインチェックは日本を代表する仮想通貨取引所・販売所に
  • 2018年1月のネム流出事件で取引は停止に
  • 現在は新規口座開設ができない状況
  • 大手証券グループのマネックスがコインチェックを買収
  • 取引再開は2018年の8月と噂されている
  • 安全に取引を行うならセキュリティ対策が万全なGMOコインやZaifなどの取引所がオススメ