ビットコインの進化系!?何でもできる仮想通貨イーサリアムとは?

イーサリアムは仮想通貨ではない

今の仮想通貨の姿を作ったのはビットコインですが、それを参考により使いやすい仮想通貨が作られてきました。

そういったビットコイン以外の仮想通貨のことをアルトコインといいます。

イーサリアムは、そのアルトコインの中でも最大の仮想通貨といえます。

1500以上ある仮想通貨の中でもビットコインに次ぐ時価総額第2位になっているのです。
(2018年3月22日現在)

ですが、実はイーサリアムというものはプラットフォームの名称であり、一般的にイーサリアムと呼ばれている仮想通貨はこのプラットフォームで使われる通貨ethのことを指します。

このプラットフォームでブロックチェーンを利用した様々な取り組みがなされており、その取り組みがイーサリアムの特徴になっています。

イーサリアムはこのようにブロックチェーンという新たな技術を通貨の管理以外にも使う新世代の仮想通貨ともいえます。

新時代を作る!?新しいシステムたち

イーサリアムではブロックチェーンを利用した通貨の管理以外の取り組みが特徴です。

この取り組みでメインとなるのがスマートコントラクトDappsというものです。

イーサリアムが時価総額第2位になるほどの価値が見込まれる要因である2つの特徴を知ることでこれからのイーサリアムを予測するための第一歩を始めましょう。

スマートコントラクト

単純に和訳すると「賢い契約」。

これだけではなんのことだかわかりませんね。

スマートコントラクトとは、簡単に言うと取引を自動的に実行して記録するシステムのことです。

分かりやすく身近な例を示します。

架空の通販サイト“ネット通販A”というものがあると仮定します。

あなたは今“ネット通販A”で買い物をし、支払をしました。

この支払われたお金は一度仲介業者に預けられます。

数日後、商品が無事あなたのもとへ届きました。

商品の配送が確認されたことで、仲介業者に預けられたあなたのお金が“ネット通販A”に支払われます。

この場合、なぜ一度仲介業者を通して支払がされるのでしょうか?

それは、あなたとアマゾンの間の信用を担保するためです。

あなたは、支払をしたのに商品が届かないことは避けたい。

アマゾンは、商品を配送したのに支払がなされないことを避けたい。

こういった2者の不安に対し、仲介業者が間に入り信用を担保することで解決しています。

そこで、スマートコントラクトが入るとどう変わるでしょうか?

あなたが今“ネット通販A”買い物をします。

このとき、配送完了時に代金を支払うという情報がブロックチェーンに記録されます。

あなたから注文を受けた“ネット通販A”は商品を配送します。

配送完了すると、あなたは自動的に“ネット通販A”へ支払をします。

このように、ブロックチェーンという改ざんができない誰でも見ることができるデータベースへの記録や自動的な契約といった機械的にやり取りがなされるため、契約者間の信用がなくとも契約をすることができるようになります。

契約者間の信用が必要なくなるということはとても大きなコストの削減が見込めます。

信用を担保する第3者、不正を防ぐための紙面による契約が必要なくなるのです。

Dapps

DappsとはDecentralized Applicationsの略です。

直訳すると、「分散型アプリケーション」。

Dappsには、Dappsに投資するDavid JonstonのVCファンドによって定義づけされています。

  • アプリケーションは、オープンソースであること。オペレーションは自動であり、中央のコントロール主体を持たないこと。トークン、データ、レコード、などにつき、暗号化されて分散化されたブロックチェーンを利用していること
  • アプリケーションは、オープンに流通可能な、暗号トークンを持っていること。アプリケーションの利用に際してトークンを利用すること。参加者には、そのトークンによってリワード(報酬)が支払われること
  • アプリケーションはマーケットやユーザーからの改善要求によりプロトコルを改善していくこと。この改善は、ユーザーのコンセンサスによること。

上記3つの要件を満たしているものがDappsとされています。

一つずつ見ていきましょうか。

「アプリケーションは、オープンソースであること。オペレーションは自動であり、中央のコントロール主体を持たないこと。トークン、データ、レコード、などにつき、暗号化されて分散化されたブロックチェーンを利用していること」

これは、3つのことを言っています。

  • 無料で公開していて誰でも自由に使える
  • 非中央集権型である
  • ブロックチェーンを使っている

これらがDappsの最大の特徴です。

既存のアプリケーションと特に大きく違うのがブロックチェーンを利用することで、非中央集権型であること。

これにより、管理者等からの利用料の搾取や不正は起こらず、どのユーザーも平等に扱われます。

「アプリケーションは、オープンに流通可能な、暗号トークンを持っていること。アプリケーションの利用に際してトークンを利用すること。参加者には、そのトークンによってリワード(報酬)が支払われること」

ここでいうトークンとは、ブロックチェーンを利用した通貨のことです。

つまり、仮想通貨のことですね。

イーサリアムのDappsならイーサリアムというブロックチェーンプラットフォームで使える仮想通貨を使っていることが条件というわけです。

そういったトークンを使って参加者に報酬として配ることがDappsには必要になります。

「アプリケーションはマーケットやユーザーからの改善要求によりプロトコルを改善していくこと。この改善は、ユーザーのコンセンサスによること。」

通常のアプリケーションですと、ユーザーの声を聞くことはあっても改善点は製作者や管理者が決めることとなります。

しかし、Dappsの場合は改善点をユーザーが決めます。

そのため、ユーザーが望むものができていくのです。

ここまでDappsの概念的な話をしていきました。

次は実際にイーサリアムにはどんなDappsがあるのかを見てみましょう。

CryptoKitties

最も有名なDappsです。

単純に言うと、猫を飼うゲーム。

ねこを買ったり、繁殖させたり、売ったりするだけのゲーム。

それだけのゲームなのですが、イーサリアムの取引情報の15%を占めるほどまで人気が高まっていました。

人気の絶好の時は1匹の仮想の猫が1000万円以上で取引されたほどです。

Life Lottery

ブロックチェーンを使った宝くじです。

現実での宝くじを見たところ、人件費等、管理側のコストが大きく、還元率が45%ほどで低いです。

しかし、ブロックチェーンを利用することで管理側のコストを大きく削減し、還元率80%近くととても高くなっています。

これからの宝くじはDappsで行われるかもしれませんね笑。

イーサリアムの問題点

ビットコインよりも大きくできることが増えたイーサリアムですが、ぬぐい切れていない問題点はあります。

  • プライバシー問題

ブロックチェーンの特徴ですが、取引が公開されています。

これによって不正を防いでいる訳ですが、利用者のアドレスは分かってしまいます。

もちろん、そこから分かるアドレスから個人を特定することは一般的にはできません。

しかし、司法機関の技術発達により事件の手がかりを得たこともあり、完全にプライバシーが守られている訳ではありません。

事件の際、犯人が見つかるのは良いけれど、関係がない一般人の私生活が割れてしまう可能性も否定はできません

これに対し、イーサリアムの創業者が示した解決策は2つ。

  • ゼロ知識証明

これはその名の通り、証拠になるような情報を一切明かすことなく、第3者への証明をすることです。

イーサリアムの場合で言うと、“送信者”“受信者”“取引データ”といった情報を一切明かすことなく、取引の正当性を証明することです。

  • リング署名

ブロックチェーンの取引では秘密鍵と暗号鍵を利用した暗号でやり取りが行われます。

このやり取りの際に電子署名を行います。

『電子署名』
ネットワーク経由で送られてきたデータが、正当な相手から送信され、改ざんや偽造されていないことを確認する方法。日本では、「電子署名及び認証業務に関する法律」によって、電子署名が紙の署名や押印と同等の法的効力を持つことが定められている。電子署名は、公開鍵暗号化方式を応用して作られ、文書に埋め込まれる。電子署名付きの文書を受け取ったユーザーは電子署名を検証することで、改ざんや偽造がされていない正当な文書であることを確認できる。(ASCII.jpデジタル用語辞典より)

しかし、普通の電子署名の場合、署名した人が誰なのかわかってしまう上に送金アドレスを発行している人物と同じ人物が署名をするために、署名者がわかるとすぐに送信者もわかってしまいます。

そこで「リング署名」という署名方法を使うことで署名者を特定しにくくします。

このリング署名というものは、署名を複数名で行うことでその複数のうちの誰が送信者なのかをわかりにくくし、署名自体も複数の秘密鍵で行うことでさらに送信者の特定をしにくくしています。

このように、ゼロ知識証明とリング署名を導入することで取引者のプライバシー保護が大きく強化されます。

しかし、取引者の特定が困難になることでマネーロンダリングなど悪用されることが考えられるため、一概にプライバシー保護強化が良いとは言い切れないのが難点です。

コンセンサス問題

コンセンサスの問題とは、つまりブロックチェーンによる取引の正当性が確保できなくなる可能性があるということです。

こちらの記事でも話されましたが、イーサリアムも51%問題にさらされています。

もちろん、51%のシェアを持った団体がいたところで正当性が保障できないとなると、イーサリアムの価値も暴落してしまうためにそんなことにはならないとは思います。

しかし、コンセンサスの安全性を確保することはそのような万が一を防ぐためにも大事です。

では、どのように51%問題を解消するのか。答えは、マイニング方法を変えることです。

現状、一番計算が早いユーザーがマイニング報酬を得ることができるPoWと呼ばれる制度を使っています。

しかし、そのせいで計算が早いコンピュータを用意できたもの勝ちというようになってしまい、計算が早いコンピュータを持つものしか正当性を保障しなくなることで信頼性は崩壊します。

そこで、PoSというランダムにマイニング者を複数選択し、その中でコインを多く持つものにマイニング権を優先的に選択する方式を取りました。

これにより、51%問題の懸念は起こりづらくなります。

なぜなら、マイニングのためには大量の通貨の保持が必要なのでコストがかかるためです。

また、大量の通貨を持ったところで51%問題が起こると通貨の信用度が下がり、51%のシェアを得るためのコインの価値が暴落して大損になるため、51%問題が起こっても起こした人は大きく損してしまいます。

スケーラビリティ問題

イーサリアムは1つのブロックにつき15~17秒の取引データが処理されています。

しかし、ユーザー数の増加から15~17秒の取引データを処理しきれなくなってきました。

ビットコインでも同様の問題を抱えています。

イーサリアムもビットコイン同様にただ15~17秒処理できるデータ量を増やすだけでは解決しません。

単純にデータ量を増やしてしまうと、マイニングが個人でできる範疇を越してしまい、非中央集権化の理念が崩れてしまうためです。

スケーラビリティ問題に関しては様々な解決方法があり、イーサリアムがどのような解決を見せていくかはわかりません。

ただ、解決の条件として、「非中央集権の維持」「セキュリティの高さ」「スケーラビリティの拡張」をあげています。

実はまだ開発途中?4段階のアップデートで度々進化!

イーサリアムのメリット・デメリットを述べてきましたが、このイーサリアムはまだ開発途中なのです。

現段階で以下の4段階のアップデートを予定していた中で3段階目の途中です。

  • Frontier(フロンティア)
  • Homestead(ホームステッド)
  • Metropolis(メトロポリス)
  • Serenity(セレニティ)

イーサリアムは今までどのように進化してきたのか?

また、これからどのような発展をしていくのか?見ていきましょう。

Frontier(フロンティア)

フロンティアはベータ版つまり、実験バージョンとしてリリースされました。

このバージョンでは実験ということもあり、稼働に不安がありましたが、大きなバグが発生することはなかったため、そのまま次のアップデートになりました。

Homestead(ホームステッド)

フロンティアでは、大きなバグはなかったと言えども、稼働が不安定でした。

ホームステッドでは、稼働の安定を図りました。

稼働が安定したことにより、イーサリアムでのアプリケーション開発がしやすくなり、様々な権威からの注目を浴びました。

Metropolis(メトロポリス)

メトロポリスは開始に時間がかかっていることもあり、テスト段階と実行段階の2段階に分けられました。

テスト段階がビザンチウム、実行段階がコンスタンティノープルと言います。

メトロポリスでは、より安心して誰でもイーサリアムを使えるようアップデートされました。

第一に、スマートコントラクトの簡略化です。

今までイーサリアムのプラットフォームで使われていたSolidityという完全チューニング可能な言語よりも、用途が限定された言語であるVipperという言語に切り替えることで柔軟なアプリケーション開発をできるようにします。

第二に、先ほどイーサリアムの問題点で述べたプライバシー保護の問題の解決です。

ゼロ知識証明やリング署名の導入がされます。

リング署名の導入により、セキュリティ強化も期待されています。

また、次のアップデートのセレニティではマイニングの方法をPoWからPoSという方法に変えることを予定しています。

そこで、その移行をスムーズに行うためにPoWという手法でマイニングを行う難易度を上げ、マイニングの限界が来る時期を調整します。

Serenity(セレニティ)

セレニティではマイニングの手法をPoWからPoSという手法に変えます。それによって、前述したようにコンセンサスの強化ができるだけではなく、マイニングにかかるコストの削減をできます。

PoWではマイニング者の計算力での競争だったために、マイニング者はより性能の良いコンピュータを使おうとして莫大な電力、土地を消費します。

それを、PoSを導入することにより個人のコンピュータで計算力関係なくマイニングがされるため、電力消費が無視できるレベルまで少なくすることができます。

ハードフォークによるコイン分裂はなぜ起きた?

分裂の前後の時期はその仮想通貨の価値の上下も読みやすいことから分裂の意味を知ることは大切です。

イーサリアムクラシック

イーサリアムクラシックへの分裂原因はDAO事件というものです。

2016年6月クラウドファンディング史上最大の資金を集めたThe DAOというプロジェクトがありました。

イーサリアムのブロックチェーンプラットフォームを利用した自律分散型投資ファンドで非常に期待されていました。

しかし、ハッキングを受けてしまい、調達した資金の約半分(3,641,694ETH、当時の43億円相当)を奪われてしまいました。

この奪われた資金をなかったことにするのか、盗まれた事実を認めるのかという2つにイーサリアムのコミュニティは分かれてしまいました。

ここで奪われた資金をなかったことにしたのが現在のイーサリアム。

盗まれた事実を認めたのがイーサリアムクラシックとなりました。

そのほかの分裂

イーサリウムフォグやイーサリウムゼロなど他にもイーサリウムは分裂を経験しているようです。

しかし、大手の取引所では取り扱いをしていないなど、情報の露出が極端に少なく、信用ができるものではないです。

イーサリアムに関するまとめ

  • イーサリアムはスマートコントラクトで通貨以外の取引も自動的に利用できる
  • Daapsというブロックチェーン上のアプリは可能性が無限大
  • 問題を抱えているが、解決のめどが立っている
  • ハードフォークはチャンスになりうる

イーサリアムはブロックチェーンの可能性を最大限利用しているビットコインの進化系と言えるような通貨です。

スマートコントラクトやDaapsなどこれからその領域が発達していくのが楽しみですね。