規制上のハードルや国内外立法議員のからの反対にもかかわらず、フェイスブックの物議をかもしている暗号通貨、リブラは2020年のリリースに向けて進めている。
進み続けるリブラ
今年の6月にリブラは発表されたが、多くの批判が飛び交った。2018年に起きたケンブリッジ・アナリティカが関与した事件からちょうど落ち着いた時、フェイスブックはどんな生活環境・場所に関係なくグローバル決済システムとして利用できる暗号通貨の新プロジェクトを公表した。
多くの合衆国上院議員たちはこのアイデアに対し怒りを露わにした。彼らはフェイスブックの首脳陣に対しリブラが果たして人々の金融情報を安全かつ制限されたものであり続けられるのかという類いの質疑に及んだ。多くは以前に守られなかった個人情報は今回も守ることはできないだろうと考えている。
フェイスブックのブロックチェーン担当のデイビッド・マーカス氏は合衆国議会において厳しく尋問され、フェイスブックからの回答がすべて得られるまでプロジェクトを遅らせることを誓約させられた。しかし、マーカス氏は最近のインタビューにこのような主張をしている。
「目標はいまだ来年のリブラのリリースだ。それまで、我々はすべての質疑に対して十二分に対処し、最適な規制環境を創造していく意向である。」
問題なのはフェイスブックがいまだ規制に関して突き詰められていないことだ。マーカス氏と彼のチームは過去に規制に関し議論したが、予定されていた法律や法規を定めるに至らず、公表するにも至らなかった。
通常、立法者はこれに対し消極的であり、フランスやドイツなどの国家はリブラが金融業界の現場に入ってくることを全力で阻止することを誓約した。それに対し、マーカス氏はリブラによってクロスボーダーな決済が少額な費用で可能になるとき、フランスやドイツまたはその近隣国家で支払いに利用されるとは考え難いだろうとの見解を示している。さらに「将来的にはスイス、ドイツ、フランスではリブラでエスプレッソを購入することはどのような状況でも考え難いであろう。」と述べた。
この暗号通貨は何によって支えられているのか。
リブラは28の企業や団体によって運営される予定であるが、潜在的に一元化される性質があることが懸念としてあげられる。リップルや銀行によって発行されるもの以外の暗号通貨のほとんどは分散型であり、人々の手に渡ることを意図している。それらは権力者によって操作されているという事実は多くの人の眉をひそめさせる。
リブラはU.Sドル、ユーロ、日本円、英ポンドさらにはシンガポールドルなどの非常に多様な安定的な通貨によって支えられるだろうと発表された。