









この記事でわかること
- バイナンスのメリット・デメリット
- バイナンスの登録方法
- バイナンスがどんな人に向いているか
先にお伝えすると、バイナンスは以下のような人に向いてる取引所です。
・国内での取引に慣れてきた人
・日本では扱っていないアルトコインが欲しい人
・頻繁にトレードする人
その理由について詳しくみていきましょう。
目次
バイナンス(BINANCE)はどんな取引所?
バイナンス(BINANCE)は、2017年7月に設立された世界に600万人のユーザーを抱える(2018年1月時点)取引所です。
設立からわずか半年で取引高が世界一になりました。(2018年11月現在は世界でTOP10)
日本の投資家にも人気のため、名前を目にした人もいるでしょう。
バイナンスの語源は「Binary」+「Finance」に由来しています。
設立当初は香港に本社を構えていましたが、中国政府による取引所へ規制の影響で現在はマルタ島に移転しています。
バイナンスのCEO、趙長鵬(CZ)氏 とは
バイナンスは、中国生まれの趙長鵬(ジャオ・チャンポン 通称CZ)が設立しました。
CZの生まれは中国ですが、幼いころにカナダに移住しています。
カナダの大学でコンピューターサイエンスを学び、ソフトウェアエンジニアとして東京証券取引所やニューヨーク証券取引所のシステム構築を経験。
その後、ブルームバーグのTradebookというソフトウェア開発部門に勤務しました。
上海で証券取引所向けに超高速取引システムを提供する会社の立ち上げにも関わっています。






2013年にあるきっかけで仮想通貨の魅力を知ったCZは、いくつかの仮想通貨関連ビジネスに関わり、2017年7月にバイナンスを立ち上げました。
取引所設立から半年足らずで仮想通貨長者に
フォーブスが2018年2月に発表した世界の仮想通貨長者ランキングで、CZは3位となりました。
推定資産額は11〜20億ドル、日本円にして1,200億~2,100億円相当。
取引所立ち上げから半年足らずで、莫大な資産を築きました。
なお、1位はリップル社の創業者、2位はイーサリアムの共同創始者です。
西日本豪雨の被災者に1億円相当の寄付
CZは学生時代に日本のIT企業でのインターン経験や、東京証券取引所でエンジニアの経験などたびたび日本に滞在していて、バイナンスの拠点を日本にすることも考えました。
日本にゆかりのあるCZは、2018年7月に起きた西日本豪雨の被害に対して、100万ドル(約1億1000万円)相当を寄付することをTwitterで発信しました。
Our hearts go out to the victims in West Japan. @binance will begin with a $1,000,000 USD equivalent donation in either BNB, BTC, or JPY. We also ask our crypto partners to join us and help our friends in need.
— CZ Binance (@cz_binance) July 8, 2018
あわせて、ユーザー・パートナーにも寄付を呼びかけました。
このCZの行動に対して、日本からは多くの感謝の声が挙がりました。
https://twitter.com/vc_koyori/status/1015771562316709888
日本の皆さま!西日本豪雨への寄付のお礼を伝えました!
What a honor to be in the same place with @cz_binance I thanked him for donation to Japan! He’s amazingly nice to accept bunch of people who wanted to talk to him, admire so much! @BinanceBCF #WIF2018 #blockchain for #SDGs pic.twitter.com/ykqyjY3UFe— Azusa⌘Switzerland+日本 (@azusakatokozma) October 24, 2018
特徴を詳しく見ていきましょう。
バイナンスの口コミは?
バイナンスに対するユーザーの声をTwitterから抜粋しました。
https://twitter.com/inago_bch_jp/status/976764319089049600
バイナンスが日本になったら割かしマジで他の取引所淘汰されまくると思う。
・使いやすい
・安全
・取引銘柄多し(ここは日本では無理だろうけど) https://t.co/NRlMknKOBP— xマスアーVia(ますたーあじあ)@ながさきコイン (@digitlasset_xrp) March 8, 2018
バイナンス舐めてた。確かにスマホで使い易いwww
尚、bitFlyerからバイナンスへのビットコイン直送も問題なく実行出来ました。少額でテストしてからの送金を推奨です。#binance #バイナンス
— くりぷと@₿lockchain (@_CryptoBlogger) January 3, 2018
バイナンスユーザーの評価は、日本の取引所よりも高い印象があります。
バイナンスの取り扱い通貨
バイナンスは日本の取引所と異なり、積極的に新しい仮想通貨を取引所に上場させています。
その種類は100種類以上にものぼります。
日本ではメジャーなビットコイン、イーサリアムやリップルはもちろんのこと、草コインと呼ばれる日本では聞かないような仮想通貨も幅広く取り扱っています。
一方で、円やドルなどの法定通貨は使用できないため、仮想通貨同士の取引がルールです。
交換の軸となるのが以下の3つの通貨です。
バイナンスが発行するバイナンスコインについては、あとで詳しく紹介します。
バイナンスは取引所形式
バイナンスは、ユーザー個人同士が取引を行う板を提供する取引所形式で運用しています。
一方で仮想通貨事業者として仮想通貨の販売を行う販売所形式の業態を取っていません。
取引所形式と販売所形式の違いがあいまいな方は、以下にその違いをまとめたので御覧ください。
-取引所形式
取引所形式は、個人間で売買をする取引形態です。事業者(取引所)は取引の場を提供する形になります。
あくまで場の提供のため、手数料が無料もしくは安く設定されている場合が多く、取引コストを抑えることができます。
一方で個人間での取引となるため、取引量が少ないと売りと買いのマッチングが成立せず、希望する価格やタイミングで買えない可能性もあります。
-販売所形式
事業者(取引所)が仕入れた通貨を直接購入するタイプのため、提示されている金額であれば買いたいときに買える反面、取引所形式よりも手数料がかかり割高となるケースが多いです。
取引所形式よりも簡単に購入できるため初心者向けと言えますが、手数料がかかるため短期的な売買で利益を出すことは難しいでしょう。
バイナンスのメリットは?
取引手数料が安い(0.1%)
バイナンスの大きな魅力のひとつは、取引手数料の安さです。
国内の取引所は取引手数料が無料の場合が多いので、国内では扱っていない仮想通貨の取引をする場合はお得です。
他の海外取引所と比較しても安いことがわかります。
取引所 | 拠点 | 手数料 |
---|---|---|
バイナンス(Binance) | マルタ | maker手数料:0.1% taker手数料:0.1% |
ビットレックス(Bittrex) | アメリカ | maker手数料:0.25% taker手数料:0.25% |
フォービー(Huobi) | シンガポール | maker手数料:0.2% taker手数料:0.2% |
ポロニエックス(Poloniex) | アメリカ | maker手数料:0~0.1% taker手数料:0.1~0.2% |






maker手数料
makerとは、自分が買いたい/売りたい価格を指定して買い/売り注文を出すことで、決まった値段を指すので指値注文と言います。
成立した売買に対する手数料がmaker手数料です。売買の機会を「作る」のでmakerと考えると覚えやすいです。
taker手数料
takerとは、既に提示されている売り/買い価格を指定して売買すること。または、価格を指定しないで売買する成行注文を指します。
この時成立した売買に対する手数料がtaker手数料です。既にある売買機会を「取り」に行くのでtakerと覚えるとよいでしょう。
バイナンスが発行するトークン・バイナンスコイン(BNB)を使うと、手数料がさらに半分の0.05%になります。
これはバイナンスコインのパートで詳しく説明します。
取り扱う仮想通貨が豊富
バイナンスの取り扱い銘柄数は100種類以上です。
ステラ(XLM)、モネロ(XMR)、イオス(EOS)、カルダノ(ADA)など、知名度はあっても日本の取引所では直接購入できない仮想通貨が多数あります。
知名度がなく取引量の少ない通貨は、価格の変動が激しいため値動き次第では大きく儲けられる可能性もあります。
もちろん、損失のリスクもあるので、知名度の低い通貨は少額から購入するとよいでしょう。
バイナンスコイン(BNB)が人気
バイナンスコイン(BinanceCoin/BNB)はバイナンスが発行するトークンで、1番の特長はバイナンスでの取引手数料が割り引かれることです。
トークンとは?
仮想通貨のブロックチェーンを間借りする形で発行される(代用)通貨です。
たとえばイーサリアム(ETH)は仮想通貨、イーサリアムのブロックチェーンを借りて発行されるのがトークンです。
バイナンスはイーサリアムのブロックチェーンERC20という規格で発行されています。
バイナンスコインの割引率には特長があり、その内容がバイナンスのホワイトペーパーに詳しく書かれています。
英語表記のため、内容を要約します。
取引手数料の割引
取引手数料は割り引かれるが、毎年割引率が半減し5年後には0%となる。
購入した年(1年目)は50%OFF、2年目は25%OFF、3年目は12.5%OFF、4年目は6.75%OFF、5年目は0%OFF。
バイナンスコインの買い戻し
毎四半期(3ヶ月)ごとにバイナンスの利益の20%相当のバイナンスコイン(BNB)をバイナンス買い戻し、消滅させる。
これは全発行量である2億BNBの50%=1億BNBが買い戻されるまで実施され、買い戻した1億BNBすべてを消滅させる。
割引率が年々減るものの、定期的に買い戻しをすることでバイナンスコインの総量を減らして希少性を上げることで、バイナンスコインの価値を高める工夫がされています。
少なくとも1年目は手数料が50%OFFなので、頻繁に取引するなら持っておいて損はないですね。
【神対応と話題】素早かったハッキング対応
2018年3月7日にバイナンスユーザーのアカウントが乗っ取られ、アルトコインが大量に売られるハッキング事件が起きました。
バイナンスは即座に全ての通貨を出金停止措置を取ると、CZはTwitterでユーザーの資産が安全であることを報告。
加えてこの事件の原因が、バイナンスのフィッシングサイトからユーザー情報を抜き取られたことだと報告しています。
不正な取引は取り消し、出金再開され通常通りの取引ができるようになりました。
ハッカーが不正に得ようとした仮想通貨はバイナンスによって取り戻され、慈善団体に寄付されました。
この対応に「神対応」との声が多く挙がりました。
【3分で完了】口座開設が簡単
バイナンスの口座開設は本人確認が不要のため、登録がとても簡単です。
準備するものは以下の2点のみ。
・メールアドレス
・ログインパスワード
登録フローは以下の通りです。
その後、登録したメールアドレスにバイナンスからメールが届きます。
Verify Email と表記されたボタンを押せば登録が完了となります。
全部で3分もかからない簡単な手続きです。
スマホアプリが使いやすい
バイナンスのスマホアプリは使いやすさに定評があります。
買い(Buy)/売り(Sell)、価格と数量を選んでボタンをタップすれば注文完了です。
動きもサクサクしているので移動中でも手軽に使えます。
バイナンスの管理画面は、軸となる通貨が仮想通貨(ビットコイン、イーサリアム、バイナンスコイン)のため日本円でいくらなのかが分かりづらい点がネックです。
一方で画面にドル表記もあるので、分かりやすくざっくり1ドル100円で換算するとだいたいの日本円換算ができます。
画像左の例だと、リップル(XRP)が0.53ドルと出ていて、だいたい53円だと分かります。
バイナンスのデメリットは?
【言語表記】日本語が未対応
バイナンスは設立当初、日本居住者向けに日本語に対応していました。
しかし、2018年3月に日本の金融庁から警告を受け、日本向けの営業を取りやめ日本語対応がなくなりました。
現在は英語表示での取引ができます。
英語が苦手でも最低限、仮想通貨の入出金、購入、売却のやり方が分かれば十分に利用できます。
では、いったいどのような警告を受けたのかを紹介します。
金融庁の認可を受けていない取引所
バイナンスは、金融庁が認可する仮想通貨交換業者に登録していません。
そのため金融庁は無登録のバイナンスに対し、投資家が損害を被る恐れがあるとして、日本向けの営業を止めるよう警告をしました。
具体的には以下の運営方法について指摘がありました。
・口座開設時に本人確認をしていない
・匿名性の高い仮想通貨を扱っているにもかかわらず、マネーロンダリング(資金洗浄)対策が整っていない
マネーロンダリングとは
麻薬などの犯罪や不正取引などで得た資金を,多数の銀行の口座を転々と移動させることで,資金の出所や受益者をわからなくすること。(出典:Weblio辞書)
本人確認をせずとも手軽に口座開設ができることがバイナンスの魅力のひとつでしたが、日本のルールでは受け入れられませんでした。
ハッキングや盗難のリスク
金融庁の認可=国のお墨付きがないと不安になるかもしれません。
とはいえ、バイナンスのハッキング対応にユーザーは好意的で、また先に紹介した事件以外に大きな事件を起こしたことがありません。
一方で、国内取引所のZaifは仮想通貨交換業者として登録されていたにも関わらず、2018年9月に70億円相当のハッキング被害を受けていたのも事実です。
国が認めた取引所でもこのようなリスクはあります。
2段階認証設定を徹底することや、自分自身でコールドウォレットに保管するなど、自分の資産は自分で守るという心持ちが大切です。
バイナンスの最新情報
分散型仮想通貨取引所(DEX)
バイナンスCEOのCZは2018年9月、バイナンスの分散型取引所(DEX)の公開ベータ版が2018年末~2019年頭にかけて公開できる見込みであることをTwitterで明かしています。
ベータ版とは、正式版をリリース(公開)する前にユーザーに試用してもらうためのサンプルです。
Just had a productive meeting for #Binance #DEX (decentralized exchange), where $BNB will be native gas, and the exchange don't control user funds. Aiming for a public beta end of the year/early next year. Yes, we work on Saturdays, non stop!
— CZ Binance (@cz_binance) September 29, 2018
バイナンスをはじめとする今の仮想通貨取引所は、管理主体(運営会社)があり中央集権型と呼ばれます。
一方、分散型の仮想通貨取引所は管理者が存在せず、取引参加者の保有する仮想通貨を燃料(ガス)にして稼働する仕組み。
ガスとは具体的には分散型取引所の使用料になります。
バイナンスの分散型取引所は、バイナンスコイン(BNB)をガスに利用することができます。
分散型の仮想通貨取引所(DEX)は、取引を管理する取引所が存在せず、個人間で取引が行われます。
そのため、個人の管理責任になりますが、上述したようなデメリットを解消します。
もちろん、流動性の少なさや、高い手数料などデメリットもあり、なにより個人間取引となるためある程度の知識が必要になるでしょう。
まだ公開されていないため、未知の要素が多いのも事実。今後のバイナンスの動きに注目が集まりそうです。
ウガンダのブロックチェーン組織と提携
バイナンスは2018年4月、東アフリカ諸国の経済改革を支援する目的で、ウガンダのブロックチェーン推進組織「クリプト・サバンナ」と提携しました。
CZはその旨のツイートをしています。
@binance will partner with @cryptosavannah @AggieKonde @HelenHaiyu to support Uganda's economic transformation and youth employment through blockchain, embracing the 4th industrial revolution. We will do this by creating thousands of jobs and bringing investments to Uganda.
— CZ Binance (@cz_binance) April 22, 2018
この提携で、ウガンダに数千の仕事を生み、投資をもたらすと発信しています。
その半年後の2018年10月、バイナンス・ウガンダが公開されました。
バイナンスとの違いは、ウガンダの法定通貨・シリング(UGX)で取引できること。
取引できる通貨ペアは、ビットコイン(BTC/UGX)とイーサリアム(ETH/UGX)の2種類です。
開所から1週間で4万人が登録
ウガンダはネットを使わない傾向にあるオフライン社会で、また銀行口座を持っていない人・持てない人は人口の約75%にのぼります。
そんな中でバイナンス・ウガンダは開所からわずか1週間で4万人もの人が口座開設をしました。
Binance Signs Up 40,000 Crypto Traders in Its First Week in Uganda https://t.co/yYXgxdaDlZ via @CoinDesk -
In 5 - 7 years, Africa might be a huge market for crypto. Many people are unbank there.
— Tommy Mustache (@MustacheTommy) November 1, 2018
それだけ仮想通貨への関心が高いことがうかがえますね。
バイナンスのまとめ
・マルタに拠点を置く世界最大級の取引所
・金融庁未認可の取引所
・取引画面は英語表記
・扱う通貨は100種類以上
・バイナンスコイン(BNB)を使うとさらに手数料が割安になる
・西日本豪雨への被災支援やウガンダ経済支援など、社会貢献活動も行っている
改めて、バイナンスは以下のような人に向いてる取引所です。
・国内での取引に慣れてきた人
→ 英語表記での取引となりますが、国内での取引感覚に慣れている人なら十分に利用可能です。
・日本では扱っていないアルトコインが欲しい人
→国内取引所では取り扱い通貨に厳しい審査があるため限られています。バイナンスは100種類以上の通貨を扱うため日本では変えない仮想通貨も入手できます。
・頻繁にトレードする人
→取引手数料0.5%と他の海外取引所よりも安い設定です。交換通貨をバイナンスコインにすることでさらに安く取引ができます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いかがでしょうか。
この記事がバイナンスの利用判断や今後の仮想通貨投資のお役に立てれば嬉しい限りです。