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ビットコインとは?仮想通貨の概念を変えたはじまりの通貨




ビットコインは、今ある仮想通貨の起源といえます。
ビットコインが普及するまで「仮想通貨」という言葉から連想されるものは、オンラインゲーム等で使われるゲーム内の通貨であったり、Suicaなどの交通系ICに代表される電子マネーであったりしました。
しかし、ビットコインが誕生したことにより、今の仮想通貨の姿が生まれました。
今の仮想通貨の特徴のスタート
- 管理主体がない
- 匿名性がある
- 送金や支払ができる
上記のような仮想通貨のステレオタイプは、そのほとんどがビットコインの特徴から作られたものです。
そのビットコインの特徴は大きく分けて3つあります。
1.コインの量に上限がある
ビットコインは2100万枚を上回って発行されないようになっています。
そもそも、ビットコインは円やドルなどの現行の通貨と違って通貨の供給量を管理する発行元がなく、あらかじめ2100万枚しか発行しないというようにプロトコルが組まれています。
そのため、ビットコインは原理上インフレすることがなく、発行・管理主体がなくとも貨幣としての信用が得られます。
2.世界中の誰から誰へも、基本的に即時に無料で送金ができる
ビットコインのアドレスさえ指定すれば、だれにでも送ることができます。
また、ブロックチェーンを利用しているため、ブロックの認証時間である10分間程度で送金でき、手数料もほとんどかかりません。
3. P2Pネットワークを利用している
ビットコインは、P2Pネットワークを利用しています。
これにより、セキュリティの維持や莫大なデータ処理のためのサーバー管理費といったコストがかかる発行・管理主体を必要とせずに、ビットコインを維持できます。
似ているものはあってもビットコインとは違う
それまでの仮想通貨から連想されていたオンラインゲーム内の通貨や電子マネーとの違いも見ておきましょう。
仮想通貨は、ビットコインが使える場所でしかモノやサービスの売買はできない
ゲーム内の貨幣は、運営会社が作りユーザーを囲い込むことで運営会社が利益を上げることを目標にしています。
これに対しビットコインは、世界中で日常生活に「使える」ようにすることを目指すという経済活動の円滑化を目標にしています。
電子マネーとビットコインは、電子的な決済をするという点では同じ
電子マネーは既存の通貨(Suicaなら円)をチャージして使う特性上、実態は円のやり取りですが、ビットコインはあくまでビットコインでのやり取りであるという点で大きく違います。
ビットコインの始まり
今の仮想通貨の概念を作ったのはビットコインですが、そのビットコインはどのように生まれたのでしょうか?
ビットコインの概念が生まれたのは2008年。
サトシナカモトと名乗る謎の人物が論文を公表したことで始まりました。
そして、その数か月後、有志のエンジニアチームがその論文をもとにビットコインを実現化し、リリースされました。
ビットコインが認められてきた歩み
ただ、それだけではビットコインは生まれただけで実際に貨幣として価値を持ちません。
ビットコインが通貨として実際に価値を持っていくための最初のステップが3つあります。
1.ビットコインに価格が設定される段階
1BTCがいくらなのかを設定する段階。
サトシナカモトが論文を発表してから約11ヵ月後、New Liberty Standardにより1BTCをマイニングするのにかかる電気代をもとに設定され、売りに出されました。
2.ビットコインが実際に現行の貨幣と換金される段階
ビットコインの価格が設定された1週間後には、New Liberty Standardにより換金されました。
これにより、設定された1BTCあたりの値段が、現行の貨幣のように価値を持つことが社会的に認識されたといえます。
3.ビットコインが実際に使われて商取引が成立した段階
ビットコインが現行の貨幣に換金されてから約半年後に、1万BTCとピザ2枚が交換されました。
ビットコインが実際に貨幣のように使うことができることが社会的に認められたといえます。
ビットコインの価値の高まり
ビットコインが価値を持つことが社会に認められ始めると、1BTCあたりの価格が高騰していきました。
歴史を振り返ると、世間にビットコインの価値が広まったきっかけが2つあります。
大手米ニュース雑誌『TIME』にビットコインの特集が組まれた
大手のメディアに仮想通貨が取り上げられたのはこれが初めての出来事でした。
TIMEに取り上げられた後、その影響からビットコインバブルが起こりました。
違法サイト「シルクロード」でビットコインが決済の手段が使われた
違法サイト「シルクロード」で、ビットコインが決済手段として使われたことも大きなニュースでした。
ビットコインを使うことで、政府や銀行の関与がない環境で誰でも取引ができるため、違法取引を扱うものにとって最高の決済手段だったのです。
FBIに「シルクロード」が取り締まられたニュースが報道されたことで、民間にもビットコインの利便性が示されました。



ビットコインはどんどん改良されている
実はビットコインは誕生当初とは全く変わっています。
というのも、ビットコインを取り扱う取引所に問題があったり、バグが発生したりと実装当初のビットコインは脆弱なところがあり、改良・修正を繰り返しているためです。
1,840億BTCが偽造された!?
2010年8月15日、なんと1,840億BTCが偽造されるバグが発生しました。
ビットコインの上限発行数が2100万枚である以上、ありえない数字ですね。
このバグは迅速な開発チームの修正対応により、ほぼ影響なく終わりました。
マウントゴックス事件
この事件は、マウントゴックスのサーバーがサイバー攻撃を受け、ハッキング被害にあったことに起因します。
ビットコイン約75万BTC(当時のレートで約480億円)と、顧客がビットコインの売買の資金として預けていた現金28億円が消失してしまう一大事件となりました。
また、CEOによる横領の疑惑もあり、取引所だけでなく仮想通貨全体への信用が下がった事件です。
このように、ビットコインは信用を失うような事件に度々あってきましたが、その都度改良され、現在まで使われています。
現在のビットコインが抱える問題
ビットコインは現在、大きく分けて2つの課題があります。
スケーラビリティ問題
「スケーラビリティとは、システムの規模(スケール)の変化に柔軟に対応できる度合いのことである。」IT用語辞典バイナリより。
ビットコインの10分間に処理するデータ容量は1MBしかありません。
利用者が増えすぎたために取引量も増大してしまい、10分間の取引データ量が1MBを上回り、いつまで経っても取引が承認されないという問題が起きています。
この問題により、ビットコインの特徴である送金手数料の安さも消えてしまっています。
ビットコインの取引処理は、払われる手数料が高い順に行われるため優先的に処理してもらうために手数料が高騰してしまうという問題もあります。
51%問題
51%問題とは、悪意あるマイナー(マイニングを行う人)によって、ネットワーク全体の計算能力の過半数(50%以上)が支配される問題です。
マイニングするための計算力を一定以上コントロールすることで、ビットコインの改ざんが可能になってしまうのです。
現在、ビットコインのマイニングの現状は中国に独占されており、約7割が中国の企業によって行われています。
もしそれらの中国の企業が手を組んでしまうと、ビットコインは改ざんされてしまう危険があるのです。
これでは、個人のマイニングはできずビットコインが持つ非中央集権の特徴に反します。
こういったビットコインの将来に関わるリスクがあるのです。
分裂してしまうビットコインこういった問題に対し、ビットコインのコミュニティ内で解決策が考えられます。
しかし、コミュニティ内でその解決策が分かれることがあります。
そういった時にビットコインは分裂します。
例えば、スケーラビリティ問題に対しては、ブロックの容量を増やす解決策をとるのかブロックのデータを圧縮する解決策をとるのかという2策で分裂しました。
その結果、ビットコインはブロックのデータを圧縮する策をとりました。
しかし、ブロックの容量を増やす策を推す派閥は消えず、ビットコインキャッシュというビットコインの派生コインが作られました。
このようにビットコインの問題はありつつも現在進行形で対応・修正されています。
ビットコインまとめ
- ビットコインが今の仮想通貨の概念を作った
- ビットコインは価値を認められることで価格が上がっていった
- ビットコインは問題を抱えてはいるが、修正され進化を続けている
- ビットコインの改善案を巡ってビットコインの派生コインが生まれることがある
一番古い仮想通貨ともいえるビットコインですが、今まで問題にあたっても無事解決しています。
現在抱えている問題も、これから解決することを期待したいですね。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。