仮想通貨は価格の変動しやすさから、株などと同じように投資先の1つとして注目を集めています。
その中でも、現在はアルトコインが注目を集めています。
ビットコインの価格が大幅に上昇しました。次に上昇するであろう仮想通貨を探している人も多いのではないでしょうか?
しかし、アルトコインには詐欺目的で生まれているものもあります。
大きく儲けられる可能性がある分、損をする危険もあるのです。
リスクの少ない投資したいなら、アルトコインのなかでもある程度は実績があるものを選んだ方が良いでしょう。
今回は、通貨として実用性に優れている仮想通貨、ダッシュ(DASH)を紹介します。
2017年には5倍以上の価格上昇を見せた仮想通貨ですが、どのような特徴があるのでしょうか?
目次
ダッシュ(DASH)はどんな仮想通貨?
ダッシュは、2012年に生まれた匿名仮想通貨バイトコイン(Bytecoin)をモチーフとしています。ビットコインの抱える問題を解決するためにできた仮想通貨です。
ビットコインは容量が小さいので、取引や送金に時間がかかる点が問題でした。
そのため、ダッシュは取引にかかる時間が短い点が特徴の仮想通貨です。詳しい内容を紹介していきましょう。
【ダッシュ(DASH)】2014年に公開された仮想通貨
ダッシュは2014年1月18日に生まれた仮想通貨です。誕生当時の名前はダークコイン(Darkcoin)でした。




2015年3月25日にダッシュという、現在の名前に変わりました。
ダッシュの公式サイトを見ると、どのような目的で誕生し、何を目指しているのかがわかります。






1つは決済承認までにかかる時間。もう一つが匿名性の高さです。
ダッシュはマスターノードと呼ばれる特別なノードを設定しています。



また、ダッシュのコンセンサスアルゴリズムはビットコインと同じPOSですが、使用している暗号化技術はX11です。
16種類のハッシュ関数を掛け合わせてできる暗号技術ですので、ビットコインの暗号化技術と比べてセキュリティが優れています。



仮想通貨ダッシュ(DASH)の買い時・売り時がわかるテクニカル分析ツール
仮想通貨ダッシュ(DASH/BTC)のリアルタイムチャート
仮想通貨ダッシュ(DASH)はいくらで買うことができる?
2017年年末に仮想通貨は全体的に価格が上昇しました。



しかし、2018年に入ってからは、他の仮想通貨同様に価格は減少しています。
現在はどのようになっているのでしょうか?
ダッシュの価格について詳しく見てみましょう。
仮想通貨・ダッシュ(DASH)の現在の価格
ダッシュの現在の価格は以下の通りです。
ダッシュは2017年末、最高値の約17万円を記録しました。
しかし、年明けのコインチェックでのネム流出事件をきっかけに仮想通貨の価格は暴落。
ダッシュも他の通貨と同様、価格が下落をしています。
2018年5月には40,000円台でしたが、その後も価格は下降しており、2019年8月現在は約1万円程度で取引されています。



仮想通貨・ダッシュ(DASH)のチャート(2019年現在)
ダッシュのチャートは以下の通りです。
中国の取引所Huobiに上場したことをきっかけとして、2017年11月に約3万円で取引されていました。
大手取引所で扱われることになったので、価格が上昇したのです。
※Huobiについては以下の記事をチェックしてください。
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日本の大手取引所を買収したHuobiとは?メリット・デメリットを紹介
Huobiは、2013年に中国北京で設立された取引所です。Huobiはアメリカのベンチャーキャピタルのセコイアキャピタルなどから出資をうけており、仮想通貨・ブロックチェーンの世界では知らない人がいないほどの大手企業になりました。
続きを見る
その後は仮想通貨自体が注目をされる時期が続きます。
最も市場が盛り上がっていた2017年12月には最高値である約17万円になりました。



仮想通貨ダッシュ(DASH)の特徴
先ほども説明しましたが、ダッシュ最大の特徴は決済通貨としての送金スピードの速さと匿名性の高さです。
これを可能としたのがマスターノードの存在です。
マスターノードとは、1,000DASHを保有する人が担当できる特別なノードです。
保有していれば権利を与えられますが、マスターノードであるためには24時間ノードを稼動させておく必要があります。



マスターノードは取引の承認に特化したノードです。
インスタントセンド(InstantSend)ネットワークとプライベートセンド(PrivateSend)ネットワークを提供する役割を担います。
インスタントセンドネットワークは送金スピードに、プライベートセンドネットワークは取引の匿名性に、それぞれ影響を与えています。






それでは、2つの特徴について詳しく紹介をしていきます。
【ダッシュ(DASH)の特徴1】送金スピードが早い
ダッシュの送金スピードは1.3~4秒です。ビットコインの送金スピードが10分なので、とても早いことがわかります。
ビットコインの送金速度は、ビットコインの取引承認に必要不可欠であるフルノードがどれだけ稼働しているかに左右されます。






フルノードは、常に取引履歴を許可し、取引のたびにそれらをブロックチェーンに記録しなくてはなりません。
そのため、維持費が高く、フルノードとして参加するノードが減少していくという問題があります。
ダッシュでは、マイニングノードがブロックの生成を担い、マスターノードが取引の承認を担うというように、役割分担しています。
ダッシュの取引においては、マイニングノードのブロック形成より先に、マスターノードによる取引承認がなされるように設計されています。
この技術がインスタントセンド(InstantSend)です。2016年以前はインスタントエックス(InstantX)と呼ばれていました。
さらに、取引手数料の45%がマスターノードの提供者に渡るようになっており、維持管理に対するインセンティブも手厚くしています。
また、実際の取引の承認においては、マスターノードのなかからランダムに選ばれた任意のマスターノードが担当することとし、ビットコインで問題とされている51%攻撃(取引の塗り替え)の問題をも解決しています。



【ダッシュ(DASH)の特徴2】匿名性が高い
ダッシュはモネロ(Monero)やジーキャッシュ(Zcash)と同様に匿名通貨として有名です。



ダッシュの匿名性ではプライベートセンド(PrivateSend)という技術が使われています。
こちらもInstantSend同様、2016年までダークセンド(Darksend)という名前でした。
プライベートセンドでは、最低3つ以上の取引を1つにまとめてから、各送金先へ送っています。



日本円で考えても分かるように、誰から送られたものであっても1円は1円であり、価値が変わるわけではありません。
ダッシュにおいても同様なのです。
ビットコインでも、取引の際に使用するアドレスと個人情報を紐づけることはできません。全く匿名性がないというわけではありません。
しかし、ビットコインでは個人情報との紐づけは比較的簡単にできてしまいます。
たとえば、あなたがビットコインでの支払いが可能なお店で食事をしてビットコインで支払をする場合には、お店のアドレスを入手することになるでしょう。
ビットコインの取引は全世界に公開されているので、アドレスから、そのお店の売り上げなどの情報を調べ上げようと思えばできてしまいます。
ダッシュはこうした問題点の解決にも一躍をかっている仮想通貨なのです。
ダッシュ(DASH)のメリットとデメリットは何?
ここまでダッシュの特徴について説明をしてきました。
良い点だけではなく、悪い点も見てから価値は判断したいですよね。
次にメリットとデメリットを整理してみましょう。






ダッシュ(DASH)のメリット
ダッシュのメリットは決済スピードの早さと匿名性の高さです。
インスタントセンドの仕組みを用いた、取引承認まで最大4秒という速さは、他の仮想通貨よりも断然早いです。
現金に近いスピードであることは、実用性の高さを示しています。
また、プライベートセンドを実装したダッシュでは、匿名性の高さが担保されています。
個人の特定ができないことで安全な取引ができます。
ダッシュ(DASH)のデメリット
ダッシュのメリットであるはずの匿名性ですが、実はデメリットでもあります。



違法取引によって得た資金の出所を分からなくするマネーロンダリングに使用されやすいのです。



国家から危険視され規制を受ける可能性もあります。
2018年7月に開催されたG20加盟国の財務相、中央銀行による会合後の共同声明のなかで、この懸念点は問題視されました。
大きな機関が懸念されている点は、ダッシュのデメリットと言えるでしょう。
実際、匿名通貨は各国で規制や、取引所の自主規制によって取り扱いが廃止される傾向にあります。韓国では5月にダッシュやモネロを含む匿名通貨の取り扱いが廃止されています。



ダッシュ(DASH)は今後どうなる?
決済機能に優れ、現金に近い利便性を持つダッシュ。
匿名性が問題にはなっていますが、国家や企業に注目されているのも事実です。
新たなプラットフォームでの実装や開発は活発です。
ダッシュの今後について重要になりそうな動向をチェックしてみましょう。
ジンバブエの動向に注目
ジンバブエでは独裁政権の破滅的政策で、自国通貨が崩壊した状態です。
ダッシュはジンバブエの決済サービス、KuvaCashとの間に共同決済システム構築にかかる業務提携契約を締結しています。
これによって、2018年には携帯電話SNSサービスを利用したダッシュによる決済が可能となると言われています。
これによって、立て直しが必要なジンバブエ経済の決済手段になれば、ダッシュがジンバブエの通貨になる可能性があります。
このようになれば、ダッシュは注目度とともに他国で買われる動きが出てくるでしょう。
仮想通貨ATMサービス
2016年1月には仮想通貨専用ATMの提供で世界的に注目を集めているLamassu社と提携をしました。



Lamassuの仮想通貨ATMは東京でも提供されています。
現在はビットコインが中心ですが、ダッシュが使えるATNが世界各地に設置されるようになることが期待されます。
ダッシュの使いやすさが上がりますので、普段使いの仮想通貨としての利便性がさらに高まることでしょう。
ダッシュ(DASH)は自動販売機でも使える
2016年1月の開発発表以降、ダッシュで決済可能な自動販売機の設置が世界各地で進んでいます。
また、2018年1月21と22日にマイアミで開催された、北アメリカビットコインカンファレンスでは、ダッシュで決済される自動販売機が展示されています。
QRコードで決済をすることができるので、キャッシュレスの進む北米では、ダッシュが広がりを見せています。
日本でも2018年にかけて、キャッシュレスの動きが活発になりそうです。ダッシュの活用が日本でも広がっていくかもしれないですね。
ダッシュ(DASH)の匿名性の問題点
ここまで良いことを中心に説明してきました。



匿名性の高い仮想通貨は出所がわかりにくいため、悪用をしやすいです。
コインチェックから流出したネムは匿名通貨として有名でした。
盗まれたネムがどれなのかわからないので、悪用できてしまいます。



マネーロンダリングなどの犯罪が横行している国では、ダッシュが受け入れられづらいでしょう。
匿名性の高さは、メリットでもあり、デメリットでもあるので、国家の規制によって広がりは左右されてしまいそうです。
ダッシュ(DASH)はどこで買えるの?【取引所】
ダッシュは決済手段に優れている仮想通貨だと紹介をしてきました。



このようにお考えの人もいるでしょう。最後にダッシュを買える取引所について紹介をします。
ダッシュ(DASH)は日本の取引所では扱っていない
現在、日本の取引所ではダッシュを扱っていません。以前はコインチェックで取引ができました。
しかし、盗難事件を受けてコインチェックは1度取引停止となっています。再開した現在でもダッシュは取り扱っていないので、国内の取引所では購入できません。
そのため、現在はダッシュを買うには海外の仮想通貨取引所を活用しなければいけません。
Binance(バイナンス)
バイナンスは2017年に中国で設立された取引所です。半年で登録者は600万人を記録し、扱っている仮想通貨数は100種類以上。
利便性の高い取引所として、中国以外の国からも注目を集めています。
バイナンスのメリットは、取り扱い通貨の多さに加え、手数料の安さが挙げられます。
取引手数料は一律0.1%で安いです。また、バイナンスのトークンであるバイナンスコイン(BNB)で支払うと、手数料は0.05%になります。
余計にかかる費用が少なく済みますので、取引をする頻度が多い人には嬉しいですね。
また、資産保全のための施策として、ハッキング対策に非常に力を入れているところもメリットの1つでしょう。
徹底したセキュリティ対策で顧客資産を守っているのです。
Poloniex(ポロニエックス)
ポロニエックスはアメリカの仮想通貨取引所です。
ビットコインをはじめとして、50種類以上の仮想通貨が売買可能で使いやすさが評価されています。
仮想通貨の信用取引(2.5倍まで)ができる上、信用取引をしたい人に自分の持つ通貨を貸すこともできます。
これによって自分は利子を受け取るといったレンディングサービスも提供しています。
他にはないこのようなサービスをうまく使えば、資金が少ない個人投資家でも、たくさん儲けられる可能性がありますね。
しかし、使いやすいと言ってもサイトは英語表記のみです。
日本人には難しいと感じる人もいることでしょう。また、日本円を使うことはできません。ビットコインを送金してから取引を始める必要があります。
独自の特徴がある取引所ですが、慣れるまでは使うのが難しいかもしれませんね。
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扱う通貨は50種類以上!ポロニエックス(Poloniex)のメリットは?
ポロニエックスはアメリカの大手取引所です。取り扱い通貨数は50種類以上で、通貨ペアも100種類を超えます。日本でも有名なステラ、ダッシュ、モネロ、ファクトムなど多くのアルトコインが取引できます。また、レバレッジ取引ができるほか、仮想通貨の貸し借りができるレンディングサービスも特徴のひとつです。
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ダッシュ(DASH)のまとめ
- 送金(取引承認)スピードが早い点と匿名性の高さが特徴の仮想通貨。
- 以前は約17万円台で取引もされていた。
- 匿名性の高さがマネーロンダリングなどの違法行為に使われる懸念がある。
- ジンバブエでは、国の通貨として活用されるかもしれない。
- ダッシュ(DASH)は仮想通貨ATMで活用することができる。
- 自動販売機で使える。アメリカのビットコインカンファレンスで設置された。
- 2018年12月現在、日本の取引所では売買できない。海外の取引所を使う必要がある。
ダッシュ(DASH)は、国内での取引はできなくなりましたが、海外では活発に取引されている仮想通貨です。
匿名通貨という懸念点はありますが、決済手段としては通貨同様の実用性があります。
ビットコインや他のアルトコインに対して優越的地位を持っていることから、今後の仮想通貨決済の中心になる可能性もあるでしょう。
まだ発展途中の仮想通貨ですが、優れている点が多いことはわかったかと思います。匿名性の問題点を解消できれば、広がりは更に期待できそうですね。
今後の動向に注目したい仮想通貨と言えるでしょう。気になった方は海外の取引所を活用して購入してみてはいかがでしょうか。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この記事が今後のあなたの仮想通貨取引の参考になっていれば嬉しいです。