DEXは「分散型取引所」であり、近年、注目されている仮想通貨取引所のスタイルです。
DEXは、仮想通貨取引で一番の問題となる、ハッキングに強いという長所があります。
今回はこのDEXの特徴やメリット、デメリットについて解説します。
目次
DEX (分散型取引所)とは「中央管理者」がいない取引所のこと
DEX (分散型取引所) は「中央管理者」のいない取引所です。
通常の仮想通貨取引所は、管理者が存在し、取引所の管理、運用、秘密鍵の保管や取り扱いも行う「中央集権型取引所」になります。
DEX (分散型取引所) は、中央管理者がいませんので、秘密鍵の管理も自身で行い、仮想通貨資産や取引所の資金も自己のコントロール下におけます。
DEX(分散型取引所)の仕組み
DEX (分散型取引所) はブロックチェーンを利用した取引所です。
利用者の売買記録は、ブロックチェーンの技術である分散型台帳に記録されます。
運営もプログラムにより自動で行われており、運営者は存在するが、管理者は存在しない無人販売所のようなイメージです。
DEX (分散型取引所)のメリット4つ
中央管理者のいないDEX (分散型取引所) で仮想通貨取引をするのは不安と思う人も多いかもしれません。
しかし、DEX (分散型取引所) はむしろ中央集権型取引所よりも多くのメリットが存在します。
そのメリットを4つ紹介していきましょう。
メリット1.自動管理されているのでセキュリティが高い
DEX (分散型取引所) はブロックチェーン上で運営されている取引所です。
そのためハッキングするのが非常に困難です。
ブロックチェーンは互いに監視しあう仕組みになっていますので、不正な取引やアクセスは承認されません。
また中央管理者の都合で取引所が倒産したり、資金の移動制限もありません。
仮想通貨を管理するための秘密鍵は、利用者が個別に管理しているため、急な資産凍結といったリスクも回避できます。
メリット2.管理者がいないので無駄な手数料が取られない
DEX (分散型取引所) ではムダな手数料がかからず、安く取引所が利用可能です。
中央集権型取引所では、管理者が存在しますので、管理者へのコストが発生します。
また中央集権型取引所では、その管理者コストが利用者の手数料として反映されます。
しかし、DEX (分散型取引所) は管理者が存在しないため、ムダな手数料が発生しません。
メリット3.本人確認が不要なので、即日取引ができる
DEX (分散型取引所) は中央集権型取引所のような本人確認といった手続きは必要ありません。
管理者の存在しない取引所ですので、DEX (分散型取引所) を利用したいと思えば、即日から取引可能です。
メリット4.24時間365日取引可能
DEX (分散型取引所) は管理者が存在せず、ブロックチェーンでプログラム管理されています。
取引所が停止する、メンテナンスになる、などもありません。
多数のノードで取引所は管理されていますので、取引を行いたいときは、いつでも取引が可能です。
DEX (分散型取引所)のデメリット2つ
DEX (分散型取引所) はメリットが多いように思いますが、もちろんデメリットも存在します。
メリットと同時にデメリットも把握しておく点が重要ですので、デメリットも解説していきます。
デメリット1.トレーダーが少ないので、取引が成立しない可能性がある
DEX (分散型取引所) はまだ新しいタイプの取引所であるため、利用者が少ないデメリットがあります。
利用者が少ないと、取引が成立しづらいのです。
DEX (分散型取引所) が世界的に広まっていけば、この問題は解決の方向に進むと思われます。
デメリット2.ハッキングに会った場合の補償がない
DEX (分散型取引所) は管理者がいない取引所ですので、利用はすべて自己責任です。
ブロックチェーンの仕組みを利用した取引所ですので、ハッキングされる可能性は低いですが、ゼロではありません。
誤送金や秘密鍵の紛失といったトラブルも、すべて自己責任になるので注意が必要です。
DEX (分散型取引所)の代表的な取引所
DEX (分散型取引所) の仕組みを用いた取引所は、世界中に存在します。
今回はその中から代表的な取引所を紹介していきましょう。
EtherDelta
EtherDeltaはイーサリアムベースのDEX (分散型取引所) です。
特徴としてはビットコインは利用できず、イーサリアム系の仮想通貨のみが使用できます。ウォレットはマイイーサウォレットを利用すると、スムーズな利用が可能です。
Openledger
Openledgerは世界初のDEX (分散型取引所) です。
仮想通貨以外の株式や債権、投資信託、さらには法定通貨なども管理者を通さずに取引可能を目指しています。
将来性も高く評価されていますが、現時点では取り扱い可能な仮想通貨の数が少ないのが問題です。
その点に関しては今後の改善が期待されています。
CryptBridge
CryptBridgeは、250種類以上のアルトコインを扱えると話題のDEX (分散型取引所) でした。
しかし2019年12月にサービスを終了しています。
DEX (分散型取引所) も現在、多くの取引所ができてきましたので、廃業に至ったのかもしれません。
DEX(分散型取引所)の注意点
DEX (分散型取引所) を利用する際は、DEX (分散型取引所) の注意点を理解しておきましょう。
以下、DEX (分散型取引所) の注意点を記載しておきます。
注意点1.送金が遅い場合がある
DEX (分散型取引所) はブロックチェーンを利用していますので、承認作業によっては送金が遅くなるケースがあります。
中央集権型取引所のようにスムーズにいかない場合もありますので、覚えておいてください。
注意点2.取引所のサポートが受けられない
DEX (分散型取引所) は中央管理者が存在しない以上、サポートなどは一切ありません。
DEXで行う行為はすべて自己責任です。仮想通貨取引にトラブルはつきものといえますので、ある程度のリスク対応能力がないと、DEX (分散型取引所) で取引を行うのは難しいと思われます。
まとめ
- 分散型取引所とは、運営もプログラムにより自動で行われている仮想通貨取引所のこと。
- 運営者は存在するが、管理者は存在しない無人販売所のようなイメージ。
- 管理者がいない、手数料が安いなどのメリットがある。