ERC20とは?
ERC20とは、イーサリアムのブロックチェーン上で機能するトークンの規格のことです。




イーサリアムやICOについて調べていてこのページにたどり着いた方もいるかと思います。
これから説明していくERC20はイーサリアムを支える重要なポイントになりますので、ERC20をしっかり理解し、これからのトレードに役立てていきましょう!
イーサリアムを使ってトークンを発行する規格のこと
ERC20はイーサリアムのプラットフォーム上で使用されることを目的に開発されたトークン規格のひとつです。
ERC20:Ethereum Request for Comments : Token Standard #20
≪イーサリアムのトークンに関する提案の20番目のコメント≫
イーサリアムはプログラムが柔軟に作られており、幅広いアプリに対応しているため、ICOによく活用されています。
このトークン規格ができたことにより、ユーザーがICOによるトークンの受け取りがしやすくなりました。
ICOは「Inicial Coin Offering」の略で、新たな仮想通貨を開発・販売することで、プロジェクトに賛同する投資家から資金調達することです。
トークンやICOについておさらいしたい方はこちらをご覧ください!
-
【5分でしっかり理解】仮想通貨トークン、稼げるの?仕組みを解説
仮想通貨との違いが分かりづらいトークンの仕組みを徹底解説します。実際にどんなトークンがあるのか、価格を上げたトークンも紹介。トークンと切り離せないICOも分かりやすく紹介します。
続きを見る
-
仮想通貨のICO(クラウドセール)とは?やり方や上場目的をわかりやすく整理しました【仮想通貨】
ICOはInitial Coin Offering(イニシャル・コイン・オファーリング)の略称で、企業が仮想通貨を使って資金集めをする方法のことです。「トークンセール」や「クラウドセール」などとも呼ばれています。
続きを見る
イーサリアムはスマートコントラクトが特徴の仮想通貨
仮想通貨イーサリアムはスマートコントラクト(=契約の自動化)を持つのが特徴です。
スマートコントラクトとは、第三者を仲介せずにオンライン上で自動的に契約の履行を可能にする技術です。
具体的な例でよく挙げられるのが、自動販売機です。
1.お金を入れる
2.商品を選択する
3.商品が出てくる
4.おつりがあればおつりを出す






ビットコインが決済の機能を備えているのに対し、イーサリアムはアプリケーション開発のプラットフォーム機能を備えています。
従来の契約モデルでは売買に第3者が仲介することが多く、手数料や手間がかかることが問題でしたが、スマートコントラクトでこれらを解決しました。
ERC20はなぜ登場したの?
ERC20というトークンの規格ができたことで、様々な問題点を解決することができました。
どのような課題があったのか、詳しく見ていきましょう。
トークンの発行を各自で行っていた
ERC20が規格が登場した理由は、トークンを発行する際の基準を統一化するためです。
ERC20規格が設計される前は、統一された基準がないために、それぞれのトークンが異なる独自のプログラミング言語を使っていました。
そのため、ICOのたびに開発コストや手間がかかることが問題でしたが、トークンの開発基準を定めることで解決したのです
トークンの保管にはウォレットが必要
イーサリアム上で発行されたトークンを保管するには、ウォレットが必要です。
上記のように従来はトークンがバラバラに作られていたので、それぞれのトークンに合わせてウォレットも複数持つ必要がありました。
そのため、利用者にとってはトークンが一括管理できず、送金・受金などに不便な状況でした。
しかし、ERC20規格の登場によりひとつのウォレットで一括管理が可能になり、従来よりもスムーズな送金・受金が実現されました。
イーサリアム発行のトークンを保管するウォレットは「MyEther Wallet」と「HB Wallet」が有名です。
以下で説明します。
~MyEther Walletとは~
数あるウォレットのなかでも最も有名なウォレットがMyEther Walletです。
イーサリアムや、イーサリアムベースのトークンを保管できます。
デスクトップとペーパーに対応したウォレットで、トークンを一括管理することができ日本語を含む24カ国の言語に対応しています。
しかし、iPhone・iPadには対応していないので注意が必要です。
(一部Androidには対応)
-
【イーサリアムのウォレット】定番から独自のオススメまでを紹介!【MyEtherWallet】
イーサリアムのウォレットのまとめを紹介します。今からイーサリアムのウォレットを探そうとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る
~HB Walletとは~
HB WalletはモバイルウォレットなのでMyEther Walletと異なり、スマホ端末で管理することができます。
基本的な機能はMyether Walletと同じですが、パソコンよりスマホで操作したいという方におすすめです。
保有しているトークンをスマホで一目で確認できたり、リアルタイムで仮想通貨の価格を確認できるなど、初心者の方でも簡単に利用することができます。
バラバラのトークンはICOに不便だった
ICO(Inicial Coin Offering)とは、新規仮想通貨(トークン)の発行による資金調達のことです。
従来はICOの際にバラバラのトークンが発行されていたことから、利用者は「このトークンはちゃんと売買に使えるの?」「安全性は保証されているの?」といった疑問を持っていました。
しかしこのトークンが統一されたことにより、作り手もトークンを発行しやすくなり、買い手も安心して購入を検討できるようになったので、ICOがより活発になりました。
また、取引所への上場の審査もしやすくなり利便性が向上したのです。
ERC20の問題点とは?






これまでERC20の利便性について説明しましたが、問題点についても学びましょう。
誤送金による通貨の消失が相次いだ
ERC20ではトークンを送金先のユーザーのアドレスではなく、違うアドレスに誤送金したトークンが返還されないという問題が発生しました。
この問題の影響で、すでに数百万ドルのトークンが引き出し不可能になっています。
そして、誤送金したコインが返還されない問題を解決するために、ERC223が新たに提案されました。
間違ったアドレスに送金した場合は元のアドレスに送り返される仕組みとなっています。
ですので、ERC20のように二度と引き出せないトークンが出てしまうことをプログラムで制御することができます。
イーサリアムの仕様変更に影響を受ける
イーサリアムの今後のアップデートや仕様変更の影響により、ERC20にも影響を与える可能性があります。
これはイーサリアムに限らず、どのトークン系銘柄に関しても同じことが言えます。
可能性は低いといえますが、イーサリアムが何らかの攻撃等を受けてダウンするといった問題が発生するリスクも否定できません。
イーサリアム以外でERC20を活用している仮想通貨
イーサリアム以外でERC20を活用している仮想通貨を3つ紹介します。
バイナンスコイン
バイナンスコイン(BNB)は、仮想通貨取引所バイナンスが発行しているERC20トークン規格で作られた仮想通貨です。
バイナンスが取り扱っている仮想通貨は100種類以上と世界最大規模で、取引所の信頼性や日本人の利用者数、サービスの使いやすさなど全体的に高水準な取引所です。
そのため、取引所で発行されたバイナンスコインも期待ができます。
バイナンスコインは、ICOを推進するバイナンスCEOのジャオ・チャンポン(趙長鵬)氏の方針や、「我々は“全ての物”がトークン化できると信じています」という企業理念にも合致した仮想通貨となっています。
トロン
トロンは、エンターテイメント業界向きの仮想通貨と言われています。
これは、トロンが世界中のエンターテイメント(映画、音楽、アニメ、漫画など)を自由にアップロードするシステムのプラットフォーム構築を目指しているからです。
ブロックチェーン状に情報を管理してスマートコントラクトを使うことで、第3者を介入せずに製作者・消費者が繋がることができます。
これによって仲介業者による搾取がなくなり、エンターテイメントの発展と、クリエイター保護が期待されています。
過去に実施されたICOでは販売枚数3億枚が30秒で完売し、世界から注目を浴びました。
Augur(オーガー)
Augur(オーガー)は、賭け事に使うプラットフォームです。
目標として、非中央集権型によって透明度の高い未来予測市場を世界中の人々に提供することを挙げています。






例えば、サッカーワールドカップで日本がベスト8になるかどうかで賭けます。
ベスト8になると投票し、結果ベスト8になった場合はビットコインやイーサリアムで報酬をもらえ、予測の結果を報告することで、REPという通貨により手数料をもらえる仕組みです。
しかし、日本では賭博が禁止されているので、日本への展開は難しいかもしれません。
今後決定的な判断が下される際には、価格に大きく影響を与える可能性もありますので、今後の展開に注目ですね。
ERC20のまとめ
それではまとめです。
ERC20とは、イーサリアムのブロックチェーンを利用したトークン発行の規格のこと
ERC20により、ウォレットの一括管理が可能になり、ICOがより行いやすくなった
誤送金によりコインが失われる事件があったが、ERC223により解決された
ERC20トークン規格の仮想通貨はそれぞれ特長や目標を持ち、今後の発展に期待されている
今回ご紹介したERC20以外にも、さらに便利な規格が今後も登場するかもしれませんね。
ERC20への疑問が解決できれば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。