「ハードフォークという言葉をよく見聞きするけど、一体何だろう?」
「イーサリアムがハードフォークするとどうなるんだろう?」
このようにお考えではないでしょうか?
ハードフォークとは、簡単に説明すると仮想通貨のアップデートです。




今回はイーサリアムとはどのような仮想通貨なのかと、ハードフォークについて説明していきます。
また、ハードフォークがによってイーサリアムがどのような影響があるのかも紹介します。



冒頭で感じていた疑問点は読み終わるころには解消されていることでしょう。
目次
そもそもイーサリアム(ETH)とは?
ハードフォークの説明に入る前に、まずはイーサリアムについて説明をします。
イーサリアムはビットコインに次いで時価総額が2位の仮想通貨です。
イーサリアムの価格は1ETH(イーサリアムの単位)が約15,000円程度です。(2019年1月現在)
1BTC(ビットコインの単位)が約40万円ですので、価格だけで見ると、価値が低いようにも見えます。






価格が低い理由は発行枚数が関係しています。ビットコインよりも数が少ない分、価格は安くなりやすいのです。
イーサリアムはトヨタやマイクロソフトなどの大企業も注目している仮想通貨です。それでは主な特徴を見てみましょう。



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イーサリアムの特徴
イーサリアムの主な特徴はスマートコントラクトとERC20です。
スマートコントラクトとは、契約を自動的に行う仕組みを指します。
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下の図のように、100ETHを送金し、10日後に返金するという行為はそれぞれ個別に行われます。
スマートコントラクトでは、これらの2つの行為を自動的にしてくれる仕組みです。
近い例としては自動販売機が挙げられます。
利用者がお金を入れて、商品を選べば、商品が出てくる。このようにすべてをまとめて行ってくれるのがスマートコントラクトです。
ERC20はイーサリアムのプラットフォームで使用できるトークン規格です。
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新しいトークンを作りやすいプログラムと覚えておきましょう。
これによって、イーサリアムを使えば簡単にICOができるようになりました。
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これらの特徴から、イーサリアムは人気の高い仮想通貨として注目を集めています。
ハードフォークとは?
次に仮想通貨のハードフォークについて説明していきます。






フォークとは分裂のことを意味しており、分裂とはブロックチェーンが枝分かれすることを指しています。
ブロックチェーンとは、仮想通貨の取引記録をまとめたデータのことです。
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そしてブロックチェーンの分裂、フォークには2種類あります。ハードフォークとソフトフォークです。
ハードフォーク:新旧のルールでブロックチェーンができる
ハードフォークでは、ルール変更に伴って仮想通貨が2つ分裂するフォークを言います。
これまでのルールに従ってブロックチェーンを作る仮想通貨と、新しいルールでブロックチェーンを作る2つに分かれてしまうのです。
そのため、ハードフォークでは今までの仮想通貨と新しい仮想通貨が誕生してしまいます。
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イーサリアムもハードフォークによってイーサリアムクラシックに分裂しました。



ソフトフォーク:ブロックチェーンは1本のまま
一方で分裂をしないフォークもあります。ソフトフォークです。
ソフトフォークでは、ルールの変更によってブロックチェーンがアップデートされると思ってください。
そのため、新しいブロックチェーンができることはなく、今まで通りの取引も記録されていきます。
そのため、ソフトフォークでは大きな問題が起こることはありません。
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イーサリアムのハードフォークの歴史
イーサリアムは、これまでに3回のハードフォークが起こっています。
イーサリアムはまだ未完成の仮想通貨です。
そのため、4つのアップデートがあって完成すると言われています。
それぞれのタイミングでハードフォークが発生しているのです。



アップデートをする時にもハードフォークが必要なケースがあります。
過去のルールではブロックチェーンを作ることができないとなった場合はハードフォークが必要なのです。
例えば以下のように、今まで1つブロックあたり1MB記録していたルールを、0.5MBに変更したとします。
この場合は今まで同様1MBを記録する作業でも引き続きブロックを作れます。
しかし、以下のように今後は2MBではないとブロックが作れなくなると、今までのルールではできないことになります。
このように新旧のルールが一緒にあることで仮想通貨は分裂するのです。
イーサリアムの場合は、事前に新しいブロックチェーンを続けることが決まっているので、新しい仮想通貨が生まれることはありません。
それでは簡単に4つのアップデート内容について見てみましょう。
4つのアップデートのロードマップ
既に2つのアップデートが終了し、現在は3つ目のアップデートを行っている途中です。
それぞれを簡単に説明すると以下の通りです。
- Frontier(フロンティア):不具合の修正
- Homestead(ホームステッド):イーサリアムクラシックの誕生
- Metropolis(メトロポリス):一般人への浸透
- Serenity(セレニティ):マイニングの承認アルゴリズムをPOSへ移行
現在は3つ目のアップデート、メトロポリスの途中です。
メトロポリスにはビザンティウムとコンスタンティノープルの2つがあります。
ビザンティウムまでが終了しており、2019年1月にコンスタンティノープルが行われる予定です。



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ハードフォークによってできた仮想通貨
イーサリアムクラシックという名前に聞き覚えはないでしょうか?
これはイーサリアムのハードフォークによって2016年6月に誕生した仮想通貨です。



イーサリアムクラシックが誕生した経緯とその特徴について紹介していきます。
イーサリアムクラシックの誕生
イーサリアムクラシック誕生のきっかけはThe DAO事件です。
DAOというイーサリアムのプロジェクトがハッキング被害に遭い、約60億円の盗難事件が発生しました。
この時に、イーサリアムの開発者たちは2つのグループにわかれました。
1つは盗まれたイーサリアムは無効化して、盗まれる前のブロックチェーンを新しく作り、新しくイーサリアムを作ってしまうというグループ。
つまり、盗難された記録をなくしてしまおうと考えたのです。
そもそもDAO事件は、イーサリアム自体に問題があったわけではなく、プロジェクトのセキュリティが弱かったことで起こりました。
そのため、イーサリアムの盗難をなかったことにしようとしたのです。
しかし、もう1つのグループはこの意見に反発。
記録に手を加えてしまっては、仮想通貨の目指す非中央集権に反すると考えたのです。
その結果、新しいイーサリアムとイーサリアムクラシックに分裂をしました。
上の図を見てもらえばわかるかと思いますが、イーサリアムクラシックが盗難記録を含んだ元祖のイーサリアムです。



現在、イーサリアムと呼ばれているのは新しいイーサリアムなのです。
今後のハードフォークの予定は?
上で紹介をした通り、2019年1月16日にコンスタンティノープルのハードフォークを行うと決定しました。
もともとは2018年10月に行われる予定でしたが、バグが見つかったため延期が発表されていました。



コンスタンティノープルによって、イーサリアムはより使い勝手が良くなると考えられています。
価格の下落が続いていたイーサリアムですが、コンスタンティノープルの決定が発表された2018年12月中旬以降から価格が上向いています。
どこまで続くかはまだわかりませんが、ハードフォークによる期待から価格が上昇しているのは事実です。



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期待がすぐに終わることもないでしょうから、ハードフォークが終わってからも少しの間は価格の上昇が続くのではないかと思います。
イーサリアムのハードフォークのまとめ
イーサリアムは時価総額2位で注目を集めている仮想通貨です。
ハードフォークのたびに期待されてもいるので、今回のハードフォーク後にどのような評価をされるのかが楽しみですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この記事があなたの疑問点解消に役立っていれば嬉しいです。