仮想通貨は2008年に誕生した新しいお金です。
そのため世界中で研究や法整備が行われています。
日本では、各省庁が仮想通貨やブロックチェーンに関する研究を行っていますが、金融分野においては金融庁が監督しています。
なぜ金融庁が仮想通貨を監督しているのでしょうか。その理由とほかの省庁と比較しました。
なぜ金融庁が仮想通貨を監督しているの?金融庁と財務省の役割の違い
なぜ仮想通貨は金融庁に監督されているのでしょうか?
これを知るには、金融庁の役割を知る必要があります。
もともと金融行政は全般的に大蔵省が管轄していたのですが、金融政策は財務省、指導監督の役割は金融庁が担うことになりました。

財務省と金融庁の具体的な役割は以下の通りです。
財務省の役割
国の予算編成や、税制に関する制度の企画や立案を行う。
金融庁の役割
利用者保護などの観点から、日本の金融機能を安定させることを目的としている。
このように、利用者保護をつかさどる金融庁が、仮想通貨を監督しているのです。
金融庁の仮想通貨への具体的な指導や取り組み
ブロックチェーンという新しい技術の展望は、我々一般人だけでなく政財界の有識者もまだわかりません。
そのため、利用者を保護するだけでなく、革新的な発明や技術の芽を摘まないためにも、さまざまな議論がされています。
金融庁の仮想通貨への法整備
金融庁には、総務企画局という金融機関が守るべき法律や規則を企画・立案する場所があります。
2017年には資金決済法が改正され、利用者保護のためのルールが規定されました。
この改正資金決済法では、仮想通貨が何なのかが定義され、仮想通貨と法定通貨を交換する事業者に対して登録制が導入されます。



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金融庁の「業務改善命令」とは?仮想通貨の取引所Zaifの場合
仮想通貨のニュースでよく耳にするのが「業務改善命令」です。
業務改善命令とは、金融庁が仮想通貨の交換事業者などに命じる行政処分の一つです。



たとえば、仮想通貨の取引所Zaifを運営していたテックビューロは、仮想通貨を流出させてしまったことで業務改善命令を受けています。
この改善命令では、①なぜ流出させたのか、②再発防止案、③顧客に補償はあるのかなどの項目の提出が命じられました。
ほかにもXEM(ゼム/ネム)を流出させてしまったコインチェック社は2度の業務改善命令を受けています。



そのほかの省庁の仮想通貨に対する取り組み
仮想通貨の取り決めを行っているのは金融庁だけではありません。
経済産業省や総務省においても、日々議論がされています。
経済産業省の場合
企業や産業の経済活力の向上を目指す経済産業省においても、仮想通貨やブロックチェーンの研究が行われています。
とくに注目すべきは、世界で初めて『ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価軸』と呼ばれるレポートを公表します。
ブロックチェーンの特徴や特性を正しく評価することで、既存のビジネスにブロックチェーン技術を導入する後押しを目的としています。
総務省の場合
また、総務省もブロックチェーンを活用する表明をしています。
具体的には、国や自治体での申請手続きをブロックチェーン上で行うことによって、各省庁や自治体が情報を一元管理できるような状態を目指しています。
そのほか、消費者庁では仮想通貨のトラブル対応や、警察庁ではマネーロンダリングなどの犯罪行為の取り締まり対応を行っています。
仮想通貨 金融庁のまとめ
このように、仮想通貨やブロックチェーンは新しい技術なだけに、各省庁がさまざまな議論を行ったうえで規制や保護を行っています。
- 金融庁は利用者保護の役割を、財務省は国の予算編成などを担う省庁
- 金融庁は利用者保護のために、改正資金決済法を規定
- 金融庁は仮想通貨の取引業者が不備を起こした際などに行政処分を行っている
- そのほか、経済産業省や総務省なども仮想通貨に対して議論を行っている
これらの情報があなたの取引に役立てれば幸いです。
ありがとうございました。