オウケイウェイヴ松田元代表コラム「無法地帯の暗号通貨、法整備化へ大いなる一歩」

更新日:

松田元氏

この記事は株式会社オウケイウェイヴ代表の松田元氏のnoteのコラム「第400回:無法地帯の暗号通貨、法整備化へ大いなる一歩」(2019年6月2日公開)を転載しています。

無法地帯の暗号通貨、法整備化へ大いなる一歩

松田元氏

本コラムも気づけば400回を迎えることとなりました。基本、毎週一本は書いておりますので、400回となりますと単純計算で400週、一年間を48週とすれば、約8年間ほど続いていることになります。まだまだ未熟ながら、継続は力なり、を感じております。
数年前から利用させていただいておりますプラットフォームサービス、noteのフォロワーさんも22,000名を超え、Twitter始め各種SNS経由で結構な方にご覧頂くメディアとなりました。ご意見、ご感想、時にご叱咤など、多くの皆様からたくさんのフィードバックを頂き、中にはハッとするものも多く、大変な励みとなります。ブロックチェーンや暗号通貨絡みを機に本稿をご覧頂いている読者様、あるいは小職がプライベートカンパニーを経営している時からご覧頂いている読者様など、読者層は多岐に渡るかと存じますが、引き続きご厚情賜りますと幸いです。
ブロックチェーンや暗号通貨周りのネタが暫く続くと思いますが、正に令和の時代は通貨革命前夜と認識しています。しばしお付き合いくださいますと幸いです。

さて、本稿のタイトルにもさせて頂きましたが、去る5月31日午前、改正資金決済法と改正金融商品取引法が参院本会議で可決・成立しました。

参考1)仮想通貨の名称、「暗号資産」に 改正資金決済法が成立

仮想通貨の名称、「暗号資産」に 改正資金決済法が成立  :日本経済新聞
仮想通貨の名称、「暗号資産」に 改正資金決済法が成立  :日本経済新聞

仮想通貨の交換業者や取引に関する規制強化策を盛り込んだ改正資金決済法と改正金融商品取引法が31日午前の参院本会議で可決・成立した。20カ国・地域(G20)などの国際会議で使う表現にあわせ、行政手続き

続きを見る

参考2)仮想通貨の「暗号資産」改称や規制強化の改正法が成立。改正資金決済法と改正金融商品取引法

仮想通貨の「暗号資産」改称や規制強化の改正法が成立。改正資金決済法と改正金融商品取引法 ~参議院本会議における改正法の報告演説全文 - 仮想通貨 Watch
仮想通貨の「暗号資産」改称や規制強化の改正法が成立。改正資金決済法と改正金融商品取引法 ~参議院本会議における改正法の報告演説全文 - 仮想通貨 Watch

仮想通貨の「暗号資産」改称や規制強化などを盛り込んだ資金決済法と金融商品取引法の改正法が5月31日、参議院本会議において与党などの賛成多数により可決し、原案通りで成立した。投票総数222のうち賛成20 ...

続きを見る

参考3)「暗号資産」の改正資金決済法が成立、来年4月施行へ|ビットコインを含め仮想通貨から呼称変更

「暗号資産」の改正資金決済法が成立、来年4月施行へ|ビットコインを含め仮想通貨から呼称変更
「暗号資産」の改正資金決済法が成立、来年4月施行へ|ビットコインを含め仮想通貨から呼称変更

ビットコインなど仮想通貨(暗号資産)に関する規制強化策を盛り込んだ改正資金決済法と金融商品取引法が参院本会議で可決、法案が成立した。株式市場同様、相場操縦行為や風説の流布が明確に規制される。

続きを見る


改正の主な変更点として、暗号通貨を「暗号資産」に呼称変更すること、収益分配を目的とした暗号通貨(いわゆるSTO、セキュリティトークンオファリング)は、金商法適用下にあること、などが新法では盛り込まれており、『北斗の拳』ばりに無法地帯であった暗号通貨市場に、ようやくインフラが整いつつある期待感に満ちております。
暗号資産という呼称を広く知らしめることも改正法の目玉として言及されておりますので、本稿においても、以後、暗号通貨(暗号資産)と併記することといたします。

法解釈の論点としては、分配目的のICO(STO)と、通常のユーティリティトークンの境目が明確に定義されているわけではなく、曖昧さが一部に残る形となっておりますが、トークンエコノミーにも金商法適用範囲を広げるという牽制の意味が込めてあるのだとすれば、良い判断だと思います。結果として、相場操縦や風説の流布といった、有価証券を始めとする金商法適用環境下では当たり前の『オトナの常識』がようやく暗号通貨(暗号資産)市場にも到来する点、嬉しさが心中に去来する思いです。しっかりと法整備がなされたことで、本邦・外国の機関投資家もかなり参戦しやすくなったのではないでしょうか。

改正法案の施行は来年の春と目されておりますが、施行前とはいえ、改正金商法下のレギュレーションに基づき、モニタリングは徹底されるものと解されます。悪質ととられる煽り文言や、風説の流布(事実と異なる情報を故意に知らしめる行為)、インサイダー、相場操縦等に関与していると誤解を招くような言動は、自身も十分に気をつけることはもちろんのこと、周囲のホルダーの方にもお声がけし、避けるようにして頂ければと思います。

企業経営にまつわる重要情報の取り扱い、業績に影響を及ぼす可能性のある情報の開示プロセスなどは、株式投資の世界では常識の範疇ですが、暗号通貨(暗号資産)の世界だと、投資家さんの経験に質量の差などもあり、うっかり応援するつもり(あるいはその逆)が法に触れてしまっていた、ということにもなりかねません。
もちろん監視社会ではないので、一切トークンについての話題が出来なくなるわけではありませんが、今回の改正法案で明確に金商法の対象となっていく意思が確認されておりますので、皆様におかれましても、これまで以上に重要な情報の取り扱い、風説の流布には十分気をつけて頂ければ幸いです。気をつけすぎて困ることはないですからね。

ともかく、今回の法案で、暗号資産に名称も代わり、トークンエコノミーも一部金商法の適用対象となったことから、インフラの整備が加速的に進んでいくことが期待されます。
前回、小職がコラムで指摘したような事象(実質的、超悪質呑み行為)は海外取引所でかなりの数が未だ散見され、むしろ小職が指摘したら更にBot取引(運営の売り買いと思われる、値段を意図的に下げることを目的とした自己売買)が激化したとの情報も一部から寄せられ(ごめんなさい涙)、海の向こうでは未だに無法地帯無双に感じられますが、結局きちんとしたインフラ・法規制が確認され、インチキやダミー売買のできない市場でない限り、成熟した機関投資家は参入せず、流動性は生まれませんので、このインチキ・詐欺的なBotやマリー取引を駆使したオーダーブックで稼ぐ取引所も、時間の問題で駆逐されることと思います。
色々とウォッチし調べておりますが、真面目にしっかりと業界発展に取り組まれているのはBinanceさん始め極一部の大手取引所*に限られているのではとすら感じます。業界が改善され、健全な機関投資家が参入しやすくなる市場創りも役割と認識し、しっかりと土台硬めを進めていきたいと考えております
*弊社が先日、提携させていただいたCoinZoom社も、非常に卓越したコンプライアンス、内部統制体制を構築されております。国外中心にはなりますが、同志として、業界改善に向けたサービススタンダードを露出していければと考えております。

CoinZoom – Digital Asset Gateway
CoinZoom – Digital Asset Gateway

Buy, Sell, Spend, Bitcoin, Ethereum , XRP, om VisCoinZoa accepted at +40M locations worldwide

続きを見る


国内の法整備においては、後は残すところ、仮想通貨税制のみになったかな、という印象です。『暗号資産』という呼称が世に初めて発出された時から、資産性のアピール=課税対象資産であることの強調であろうと本稿でも幾度か指摘しましたが、今後、トークンの有価証券性が強まり(金商法適用範囲の拡充からその未来は間違いない)、分離課税が適用されることになれば、いよいよもって本邦の機関投資家が本格参入してくること請け合いです。
BTCの堅調な強さは引き続いており、ファンダメンタルズの変化についても指摘の通り暫く堅調、アルトコインも局面としては上昇傾向(ただし海外取引所でのBot暴走が止むことが条件)にあるため、地合いは抜群であり、またしても世界に先駆けて暗号通貨(暗号資産)にまつわる改正法案が国会で成立したわけです。

我が国が、ブロックチェーン立国暗号通貨(暗号資産)立国になれる最大のオポチュニティが正に眼前に迫っており、この機を逃す所以はありません。ハッキングから詐欺から風説の流布まで、あらゆる違法性に富んだ事象を乗り越えてきた私達ですから、ブロックチェーンらしい、ブロックチェーンでしかできない独自のユースケースを紡ぎ、世界的なブームの起点となれますよう、尽力をする所存です。

最後に、法整備が進むブロックチェーン産業において、これから何が起こるかを軽くコメントして本稿を締めたいと思います。
大手企業資本の会社が仮想通貨交換業登録に向け動いていることなどから、決済や保管(カストディ)については、かなりの資本・セキュリティ担保がある企業に限定されたサービスになっていくと思います。
ペイメントサービスとしてはブロックチェーンは不利ですが(使えば使うほどデータ量が重くなり続けるため)、資産流入経路、保有資産の把握という点においては、ブロックチェーンに勝るものはありません。そして、インターネットが情報を吐き出す革命だったとすれば、ブロックチェーンは情報を貯め込む革命です。
誤解や誤謬にあふれるインターネットの世界の情報を、私達ユーザーが本当に大切にしたいものだけ取捨選択し、自分のトークン(ウォレット)に保存するという行動が未来のスタンダードになります。
翻って国という単位で見た時に、ブロックチェーンはおそらく、決済から資産保持までの一連のプロセスに活用され、課税や収入証明、マイナンバーとの紐付けなどから、遵法の維持など(コンプライアンス)に活用されることは間違いありません。
そう考えると、民間企業の立場としては、ブロックチェーンをどう使うか、言い換えれば、どんな情報を溜め込んでもらうサービスを創り上げられるかが鍵となります。感謝経済圏を掲げ、ブロックチェーンにベットしている我々としては、人の善意という残したい(無くしたくない)情報を、OK-tip(暗号資産ではありません)という器に入れて、送り合ったり、やり取りできるしくみの構築を目指しています。
また、こうしたコンセプト(目に見えないがそこに確かに存在する価値への共感)に適した外部トークンとは、積極的に連携していく所存です(もちろん、遵法最優先です)。トークンエコノミーに関わり、同じ未来を描く皆様とは、改めてブロックチェーンとは“情報を貯め込む革命”であることを共有させて頂きたく思います。その上で、投機目的として“だけ”ではなく、そのトークンにどんな情報を刻むか思いを刻むかを意識しながら、信頼と感謝で繋がった取引履歴のもと、揺るがぬサービスインフラを、共に構築して行きたいと強く考えております。

松田元氏松田 元

株式会社オウケイウェイヴ代表取締役社長。仮想通貨関連事業を行う海外子会社OKfincのCEO。

衆議院予算委員会「平成28年度の予算案審議のための公聴会」に公述人として出席したほか、『いい人がお金に困らない仮想通貨: 新時代のルール』(2018年、ロングセラーズ)など著作も多数。

-topics

Copyright© Coin Plus(コインプラス) , 2019 All Rights Reserved.