オウケイウェイヴ・松田元氏が語る「ブロックチェーンの未来」と仮想通貨の投資初心者に必要な3つの視点

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松田元氏

一部ニュースやテレビなどで耳目に触れるものの、いまだ日常生活では浸透しているとは言いがたい仮想通貨・ブロックチェーン。

これからブロックチェーン技術が発展したとき、我々の生活はどのようなものになるのでしょうか。

ブロックチェーン技術を通じて「感謝経済」という新しい社会を実現しようとしている、株式会社オウケイウェイヴの代表・松田元さんに、投資初心者が仮想通貨投資で持つべき視点や、ブロックチェーン技術によって起こりうる未来の展望を語っていただきました。

オウケイウェイヴ松田元代表が仮想通貨業界に参入した経緯

―そもそも松田さんが仮想通貨業界に参入したのは、どのような理由があったのでしょうか。仮想通貨を知った当初のイメージなども合わせてお聞かせください。

もともとビットコイン(BTC)や仮想通貨などの言葉や定義を聞いたのは、5年ほど前です。当初のイメージは、仮想通貨は投機的な商品で、社会には定着しないだろうなという認識を持っていました

あるとき、3年前くらいに仮想通貨の取引所を作りたいという友人から、「FXなどの金融商品が、どういうオーダープロセスで売り買いされているのかを教えて欲しい」との依頼があり、そこから関わり始めました。

当時はまだビットコイン(BTC)が過熱する前だったので、うさん臭い印象を持っていたのですが、実際にひと儲けしている人たちがいることを知り、そこで仮想通貨の持つ投機性に注目しました。

またICO(イニシャル・コイン・オファリング)※も、そのなかで知り、世界中に公開されているICOのホワイトペーパーを読み込んでみました。そうしたらICOをして何をしたいのか全然よくわからないんですよね(笑)

ただブロックチェーン技術が生まれたことで、通貨を発行できる権利が政府から民間に移り、誰でも通貨が発行できるようになったことがわかりました。

※ICO:仮想通貨を使った資金調達方法のこと。

 

―誰でも発行できる点に、危険性みたいなものは感じなかったのですか?

全く感じなかったです。

通常、通貨を発行するには「信用」が必要で、信用を得るには売上と利益がなきゃいけないです。ただ仮想通貨の場合は流動性さえ上がれば、価格が上がることがわかり、「これはもしかしてチャンスがあるのでは?」という意識が芽生えました。

もし参入するなら面白いビジネスがしたいと思っていたときに、オウケイウェイヴの兼元さん(兼元謙任会長)に出会いました。その際に、「オウケイウェイヴのQ&Aデータ※を、トークン流通させたら大きな可能性があるのでは?」と感じました。

つまり、いい質問やいい回答をするとコインがもらえて、そのコインで決済ができれば世界中の人がよいことをするようになると思い、本格的にブロックチェーンをやろうと思ったのが経緯です。

※オウケイウェイヴが2000年より運営するQ&Aプラットフォームのデータベースのこと

ブロックチェーンは「情報の貯蔵技術」にこそ意味がある

―理想とするブロックチェーンの広がりについてお伺いしたいです。また、オウケイウェイヴの掲げる「感謝経済」の理念についてもお聞かせください。

ブロックチェーンはあくまでも技術であって、むしろその技術を通じてどのような社会が生まれてくるかが重要です。

どうしても仮想通貨・ブロックチェーン=決済というイメージがあるかと思いますが、決済の速度だけで言えばブロックチェーンは不利です。PayPayやSuicaの方が速く決済ができますし、代替する決済手段は仮想通貨以外にもたくさんあります。

ブロックチェーンというのは、自分にまつわる情報が嘘じゃないと認めてもらえる、ある種のディプロマ(=証明書)なのです。

つまりブロックチェーンはあくまでも、「情報の貯蔵」という部分に意味があって、その情報を貯蔵する技術に何を入れるのかということが大事になってきます。たとえば、人が生きてきた記録や生き様を、正しくデータベース化させて、全員が納得した状態で渡せることにブロックチェーンの価値があると思っています。

 

―なるほど。その先にあるものは何ですか?

いい人って基本あまりお金儲けができないじゃないですか。だから「本当によいことをしている人がきちんと評価されて、その人の価値が世の中に認められることによって、その人が貯めたコインやトークンが決済で使えれば、オウケイウェイヴのやっていることって価値があるよね」というところから、「感謝経済」の概念が生まれました。

また今までは、お金や権力を持つトップから命令が来て、そのオーダーに対して「わかりました」と動いていましたが、ブロックチェーンを使えばパラダイムシフト(思想や価値の転換)が起こせるのではと思っています。

「ブロックチェーンを使えば資本主義に対抗できる」

―もともと仮想通貨を知る前から、中央集権的な社会に疑問などは感じていたのですか。

資本に対する違和感とか、嫌悪感はありました。

お金を儲けるには、何かしらの形で勝たないといけないじゃないですか。自分の正義じゃないこともやらなきゃいけないときだってあります。ただそれを繰り返した結果、お金持ちになっている人とかを見て、かっこいいとは思わなかったんですよね。

 

―松田さんは、キューバの指導家のチェ・ゲバラを尊敬しているとうかがいましたが、そのような影響もあるのですか

ゲバラは僕の人生の師匠です。

彼は資本主義に対して真っ向から反対して、戦ってきました。僕はアンチ資本主義のような意識を持っているのですが、資本の世界で資本のあり方を否定するには、資本の世界で勝たないといけないと思っています。

これまではノブレスオブリージュ的な考え(財産や権力の保持には義務がともなう考え)のもと、資本家が寄付をすることがありましたが、これからはブロックチェーンで資本主義に対抗できると思っています。

松田元氏

仮想通貨投資初心者が持つべき3つの視点とは?

―ビットコインが生まれて11年ほど経ちますが、2019年現在のブロックチェーンの社会への浸透度合いはどの程度のものでしょうか。

僕の感覚では、まだWindows95が出る前の世界です。みんながWindows95もどきを作っているなかで、「イーサリアムがすごい」とか「ビットコインキャッシュがすごい」だとか、一部だけで議論されている程度の浸透度だと思います。

 

―そのような未発達の環境のなかで、初心者が仮想通貨に投資するのは難しいかと思うのですが、どのような視点を持って仮想通貨に投資をすればよいのでしょうか。

仮想通貨に投資をする際、「誰がやっているか」「わかりやすいストーリーを持っているか」、そして「流動性が担保されているか」という3つの視点がとても重要です。

たとえば取引所やICOでも、後ろに上場企業がついているのと、ついていないのじゃ違いますよね。

そして技術云々よりも、わかりやすくて「こんなのできたらいいよね」と思われるようなサービスが今後伸びると思っています。たとえば我々の「感謝経済」もわかりやすい理念を持っていますよね。

ただ、理念がすごくても取引高がゼロですみたいな通貨ではダメで、流動性がある程度あることも必要です。

株式投資は「定量」、仮想通貨は「定性」で投資判断

ビットコイン、イーサリアム、リップル

―そもそもの疑問なのですが、株式投資と仮想通貨に投資することの違いはなんでしょうか。

テクニカルな話でいうと、仮想通貨の場合は24時間365日相場が動いて、仮想通貨はトレードの時間が長い。FXですら土日は休みので、体力に自信がある方は是非オススメしますよという感じです(笑)

もう一つは、株式の場合は、自己資本比率やROIなどを見て投資判断をするかと思いますが、仮想通貨の場合はむしろ「その通貨の考えが広がるかどうか」という、極めて定性的な判断で売り買いがされます。この定性情報で投資をするところは大きな違いかもしれないです。

「仮想通貨はコールドウォレットで保管することが基本」

仮想通貨のウォレット
―仮想通貨の管理方法やセキュリティ対策についてもアドバイスをいただきたいです。

取引所のウォレットでお金や仮想通貨を管理するのは愚(ぐ)の骨頂で、両替商にお金を預けたままどこかに行ってしまうのと一緒なんですよ。

たとえば外国に行って500万円を両替する際に、「受け取りは一週間後ですよ」と言われたらとても怖いですよね。取引所に通貨を預けるということは、両替商でお金を受け取らないままでいることと同じなのです。

そのため、取引所ではなくて自分のウォレットで通貨を管理すべきです。ただ常にインターネットにつながっているウォレット(ホットウォレット)はすぐにハッキングされてしまうので、ネットから隔絶されたコールドウォレットで保管することが基本です。

もしそのハードルが高いというなら、最低限は取引所ではない場所で管理したほうがよいです。

ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)の将来性は?

ビットコイン、イーサリアム、リップル

―また、各仮想通貨の違いって分かりづらいかと思うのですが、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)などの主要通貨に投資するメリットや、今後の価格についてもご意見をうかがいたいです。

ビットコイン(BTC)は現在の時価総額を考えても、仮想通貨の世界から無くなることはないので、安定的に伸びていくと思います。今から10倍~20倍になるのは考えづらいですが、ドルコスト平均法という毎月少しずつ買っていく方法であれば、基本は負けないだろうなと僕は解釈しています。

あとイーサリアム(ETH)は一時期20万円を超えていましたが、それ以上の価格になる気はしています。そうするとここから50倍くらいになることはあり得るので、そこに期待はしています。
ただ一方で、ICOのトークンはイーサリアム(ETH)ベースで作られているので、ICOの市況が悪くなるとイーサリアム(ETH)が売られてしまうデメリットがあります。もしイーサリアム(ETH)からスター的なアルトコインが生まれれば一気に価格が上がると思いますが、まだそれは誕生していないので、ICOによって価格に影響を受けてしまう点では心配ですね。

またリップル(XRP)は、決済をあのスピードで、安くできる技術は極めて素晴らしいと思っています。僕が決済業者だったら使うと思います。ただ、発行上限の1000億XRPをもし銀行が買ったら、XRPの売り需要が強まるのと、価格が高騰してしまえば決済として使えなくなるので、これから1000円、2000円になるかといったら、そうはならないと思います。

最後にビットコインキャッシュ(BCH)は、もしかしたら100倍~200倍まで上がるかもしれないと考えています。ただひとつ言えるのが、特定の人たちが大量のBCHを保有している疑念もあるので、「中央集権じゃないか」という指摘を受けてしまうリスクはありますね。

 

―ありがとうございます。最後に、米国のCoinZoom(コインズーム)社との提携が発表されましたが、今後の展望などについてもおうかがいしたいです。

CoinZoomさんとは今年の2月くらいに、イスラエル系のファンドの方にご紹介をいただいて話をしました。CoinZoomさんはもともと金融商品のデリバリティブシステムで月間8兆円くらいをさばいていたプロ集団です。

よくある仮想通貨の交換業者って、「こんなことやります」って言っておきながら、サイトでは“Coming soon”の表示が続くことが多いのですが、彼らの場合はシステム構築も、海外での仮想通貨交換業のライセンス取得もすでに完了していました。そのセンスに僕は脱帽して、「これはすごいな」と。

また彼らの特徴は、100種類ほどのアルトコインと対応したデビットカードを作っていることです。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のデビットカードは多くあるのですが、アルトコインに関してはまだあまりないので、その点にも凄みを感じました。

これから様々なアルトコインが上場してもCoinZoomだったら、それらをさばけるだけのシステム的許容もありますし、CoinZoomに通貨を上場させ、デビットカードで仮想通貨決済ができるようになったら、より魅力的な世界になると思っています。

--それが実現したらすごい世界になりますね。本日はお忙しいなかありがとうございました。

松田元氏

松田元氏松田 元

株式会社オウケイウェイヴ代表取締役社長。仮想通貨関連事業を行う海外子会社OKfincのCEO。

衆議院予算委員会「平成28年度の予算案審議のための公聴会」に公述人として出席したほか、『いい人がお金に困らない仮想通貨: 新時代のルール』(2018年、ロングセラーズ)など著作も多数。

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