QASH(キャッシュ)は、仮想通貨のプラットフォームLiquid(リキッド)を運営するQUOINE(コイン)社が発行する仮想通貨(トークン)です。










この記事を読み終えた時には、QASHの特長やどの取引所で買うべきかなどがわかるでしょう。
目次
QASH(キャッシュ)が生まれたきっかけを追う
QASHのチャート・価格・時価総額
QASHのリアルタイムチャートです。
2018年1月をピークに暴落しており、4月末に再び上昇するもその後下降し10月時点は横ばいとなっています。
QASHの価格は約25円。時価総額は、1,000種以上ある仮想通貨の中で78位になってます。(いずれも2018年10月16日現在)
【日本初】金融庁認可取引所のICOで発行されたQASH
QASHは仮想通貨のプラットフォームLiquid(リキッド)内での決済などに使える仮想通貨(トークン)として、QUOINE社によって発行されました。






トークンとは?
仮想通貨のブロックチェーンを間借りする形で発行される(代用)通貨です。
たとえばイーサリアム(ETH)は仮想通貨、イーサリアムのブロックチェーンを借りて発行されるのがトークンです。
トークンについて詳しくはこちらを参照ください。
-
【5分でしっかり理解】仮想通貨トークン、稼げるの?仕組みを解説
仮想通貨との違いが分かりづらいトークンの仕組みを徹底解説します。実際にどんなトークンがあるのか、価格を上げたトークンも紹介。トークンと切り離せないICOも分かりやすく紹介します。
続きを見る
QUOINE社は金融庁に認可された仮想通貨交換業者として初めて ICO を実施しました。
ICOとは?
ICOはInitial Coin Offering(イニシャル・コイン・オファーリング)の略称で、企業が仮想通貨を使って資金集めをする方法。「トークンセール」や「クラウドセール」などとも呼ばれる。






ICOの目的は Liquid(リキッド)プロジェクト の実現






Liquid(リキッド)プロジェクトとは
・世界中の取引所の取引を集約したプラットフォーム(Liquid)を作り、
・自国の(自分で選んだ)法定通貨を自由に使えて、
・プラットフォーム上で一括で取引ができる(取引所を行き来しない)
という仮想通貨取引の環境を作るプロジェクトです。






Liquidプラットフォームの紹介動画もあるので、時間があればチェックしてみてください。
※Liquidはプロジェクト名であり、実際に取引するプラットフォームの名前にもなっています。
ICOで集まった資金は122億円相当
QASH(トークン)は、Liquidプラットフォームで使える通貨として発行され、ICOで売り出されました。



1つはプロジェクトが実現したらLiquidプラットフォーム内でQASHが色々使えるから。
もう1つはプロジェクトそのものの魅力が増えれば、QASHの価格自体が上がる可能性があるからよ。特に2つ目の期待が大きいわ。



結局、ICOで発行された10億QASHのうち、最大販売数の3.5億QASHが3日間(2017年11月6日~9日)で完売しました。
1QASH = 0.001 ETH で売り出されたため、当時のイーサリアム価格(1ETH=約35,000円)で換算すると、約122億円相当の資金調達となりました。



それだけ期待が高かったのね。大成功と言えるわ。



QASHの主要な2つの機能とメリット
QUOINE社がリリースするLiquidプロジェクトのホワイトペーパーでは、QASHが持つ機能とQASHを持つメリットについて説明されています。
ホワイトペーパー
ICOにより調達した資金の使い道(実施するプロジェクトの内容等)やトークンの販売方法などをまとめた文書。(出典:金融庁)
QASHが持つ機能
QASHの機能は以下のように書かれています。
QASHには、次の2つの主要な機能があります。
1.当社のすべてのプラットフォーム上でユーザーがサービス対価の決済に利用できるクリプト・トークン。
2.公開市場で取引可能なクリプト・トークン。
これらに加えて、QASHは、金融業界およびその他の業界すべてにおいて利用可能となります。
QUOINEは、QASHの利用方法を制限せず、QASHをビジネスに利用したいと考える企業を制限しません。
そのため、すべての企業、組織、個人が、ビットコイン、イーサリアムのETHおよびリップルのXRP等と同様に、クリプト・トークンとしてQASHを利用することができます。
※クリプト・トークンは仮想通貨(トークン)と同じ意味です。






言い換えるとこのような機能です。
1:LiquidなどQUOINE社が展開するプラットフォーム上で使えるトークン
2:QASHを取り扱う取引所で自由に使えるトークン






QASHを持つメリット
また、以下のような記載もあります。
QASH保有者は、その価値を以下と引き替えに使用することができます。
取引手数料
LIQUID プラットフォーム
QRYPTOS
QUOINEX
プライム・ブローカレッジ
ダイレクト・マーケット・アクセス
法定通貨管理
仮想/法定通貨のクレジット
その他のサービス
システム・コロケーション
自動取引戦略
取引ツール
日本ではまだ適用されていませんが、QASHを持っていることで取引手数料が割引になるなどさまざまなメリットが受けられます。






今の段階では、QASHの価格が上がって得られる売却益が一番のメリットでしょう。
QASHはイーサリアムが土台のトークン
トークンには土台となるブロックチェーンがあります。
世界に1,000以上あるトークンの大半は、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンが使われています。
中でも多く利用されているのがERC-20という規格で、QASHはこのERC-20をもとに発行されています。
ERC-20を利用すると、以下のようなメリットがあります。
・時価総額2位のイーサリアム(ETH)がベースのため信頼性が高い
・多くのトークンで使用されている規格のため、決済や取引などが円滑にできる
QASHを発行したQUOINE社とは
引用:QUOINE公式サイト
QASHを発行したQUOINE社について紹介します。
QUOINE社は、ブロックチェーンとデジタル通貨の破壊的イノベーションにインスパイアされたCEOの栢森 加里矢氏が、2014年にCPO(チーフ・プロデュース・オフィサー)のマリオ・ゴメス・ロザーダ氏とともに共同設立したグローバルフィンテック企業です。
引用:QUOINE公式サイト






経営メンバーはとくに優秀で、金融とIT技術の分野で合計250年相当の経験を有する国際的レベルのチームと自称します。
以下のような一流企業を経験したメンバーが揃っています。
金融機関:ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、クレディ・スイス、シティグループ、バークレイズ など
インターネットおよび技術:ソフトバンクグループ株式会社、サムスン、シンガポール・テレコム、BSB、など



もちろん過去の肩書にあぐらをかいているわけではなくて、メンバーの合計250年分の経験を活かしてよいものを作ろうとしているわ。



引用:栢森CEOブログ









国内の取引所はbitFlyer(ビットフライヤー)やZaif(ザイフ)などが有名ですが、QUOINE社はICOによって大きく知名度を上げました。
QUOINE社の紹介動画もあります。
QUOINE社が着目する仮想通貨市場の課題
QUOINE社が着目する課題は流動性です。
流動性の欠如という課題
クリプト・トークン市場における経済活動という、巨大でしばしば混沌とした大海の中で、参加者は様々な難題に直面しています。QUOINEは、取り組むべき1つの根本的な課題を特定しています。この課題は、あまりに大きくて見過ごされがちです。しかし世界のクリプト経済の健全性と成長のためは不可欠なものです。それは流動性です。流動性は、あらゆる産業、経済、そして個々の事業にとっての血液です。



血の巡りが悪いと、肩が凝ったり、冷え性になったり、よくないことが起こるでしょ。
仮想通貨取引も同じように通貨の流れが悪いとよくないの。それを解消させるのが彼らのミッションよ。



仮想通貨の流動性が悪いとどのようなデメリットがあるのでしょうか。
たとえばビットコインの取引をする場合、以下のような条件によって流動性に格差が生じます。
国・時期・取引所・法定通貨(円やドルなど)・仮想通貨の種類 など
格差が生じた結果、価格や買いやすさが変わってきます。






以下は、時期と国を単位に見た流動性格差の例です。
2017年1月は中国が、3月は日本が、7月は韓国が最も流動性が高くなっています。
それぞれ流動性が高い月に、流動性が高い国で取引をすると安定した価格で手に入りやすくなります。
このような条件による流動性の格差を解消するのが、次に紹介するLiquidプラットフォームです。
【QASHが活きる場所】流動性を生む Liquid プラットフォーム
QUOINE社が課題とする流動性の欠如を解消するプラットフォームが、Liquid(リキッド)です。






Liquid(リキッド)プロジェクトとは
・世界中の取引所の取引を集約したプラットフォーム(Liquid)を作り、
・自国の(自分で選んだ)法定通貨を自由に使えて、
・プラットフォーム上で一括で取引ができる(取引所を行き来しない)
という仮想通貨取引の環境を作るプロジェクトです。
Liquidプロジェクト実現の土台となるシステムがLiquidプラットフォーム、その中で使われるのがQASHです。
Liquidプラットフォームは、これまで多くの人が不満に思っていた以下のような不満を解消します。
Liquidプラットフォームを支える技術









ホワイトペーパーでは、Liquidプラットフォームは以下のように説明されています。
QUOINE LIQUID プラットフォームは世界中の流動性を集約した単一の取引プラットフォーム(ワールドブック)と、これに付帯する一連のサービス(プライム・ブローカレッジ)から構成されており、最高水準の流動性の提供を可能にします。プラットフォームを使用することで、誰もが新たなクリプト経済が提供するあらゆる機会を利用できるようになります。
※QUOINE LIQUIDと 記事で説明するLiquidは同じ意味です。






流動化を生み出す【ワールドブック】
liquidの実現にワールドブックという技術が欠かせません。
ワールドブックは以下のように定義されています。
世界中の多様な取引所(流動性の源泉)のオーダー及び価格を、流動性の高い単一のオーダーブック上に統合し、かつ選択した通貨建てで発注することができるマルチマーケット・オーダーブックを提供します。
簡単に言うとワールドブックは以下のような環境を作ります。
・様々な取引所の注文やバラついた価格を統一する
・自分が選んだ通貨で発注できるようになる












ワールドブックの構造
ワールドブックは以下の2種類のオーダーブックから構成されています。
内部オーダーブック:ユーザーがワールドブックにおいて発注したすべての注文の為替調整済み注文のオーダーブック。
外部集約オーダーブック: 内部オーダーブックにおける注文以外の、世界中の(しかし為替調整済みの)注文のオーダーブック。このオーダーブックにある注文はすべて、世界中の取引所における注文にリンクしています。
簡単に言うと内部オーダーブックと外部集約オーダーブックは以下のような環境を作ります。
内部オーダーブック:ワールドブックのすべての注文情報にもとづいて、為替による価格差を調整した後の価格を表示させる仕組み。
外部集積オーダーブック:世界中の取引所の(内部オーダーブックの以外)注文をまとめて表示させる仕組み。






自国の通貨がマイナーで使いづらいと思っていた人も、Liquidを使えば自動的に自国の通貨に両替されるので、流動性の影響を受けずに自由に取引ができます。
次にワールドブックをささえる3つの技術についても触れていきます。
LIQUID プラットフォームのワールドブックを支えるのは、QUOINEがすでに日々幅広く使用している、次の三つの技術です。
1. マッチング・エンジン (ME)
2. クロスカレンシー換算エンジン (CCCE)
3. スマート・オーダー・ルーティング (SOR)
マッチングエンジン(ME)
一秒当たり数百万件の取引を処理することが可能な、QUOINE社が1から作った業界で最先端のシステムです。






スマートオーダールーティング(SOR)
世界中の取引データの中から通貨単位の違いを取っ払って注文を成立させようとする仕組みです。






クロスカレンシー換算エンジン(CCCE)
瞬間的かつ自動的に通貨換算(両替)をする仕組みです。












プライム・ブローカレッジ
- カウンターパーティリスクの軽減(取引相手の倒産のリスク)
2. 資本効率の向上 - LIQUIDを介することで、他の取引所とのやり取りをする際も安全性を担保してくれるのです。
- 取引所機能も持っている
- LIQUIDが実現した未来
Liquidプロジェクトのロードマップ
ホワイトペーパーには、Liquidプロジェクトのロードマップが公開されています。















会社では四半期といって1年12ヶ月を4分割して3ヶ月おきに見ることが一般的なの。



【2018年Q2(4月~6月)】Liquidのオープン
2018年Q2(4月~6月)に予定していた、Liquid のオープンをQ3(9月)に達成しています。
もともと運営していたQUOINEX取引所がLiquid by Quoine取引所となりました。
大変お待たせしましたが、ついにLiquid by Quoineを公開しました!
ついにこの日を迎えられ、非常に、感慨深い気持ちです。
気持ちを新たに、また着実に、そして確実にユーザーさま本位のサービス実現に励みます。
わくわくが、止まりません。。https://t.co/xQMMRxvvU7
— Mike Kayamori (@MikeKayamori) September 7, 2018
オープンが遅れた原因に、2018年6月に受けた金融庁の業務改善命令が挙げられます。
業務改善を進める中でオープンを1Qの遅れにとどめ、ロードマップをしっかり進めていることがうかがえます。
2019年以降も注目すべき2つの予定を挙げています。
【2019年Q2(4月~6月)】QASHブロックチェーン開始→LiquidDLに変更
前半で紹介したQASHの土台となるブロックチェーンERC-20は、オリジナルのブロックチェーンLiquid Distributed Ledger(LDL)に変更されます。
時期は未定ですが、開発が整い次第となる可能性が高いです。






ホワイトペーパーでは、QASHブロックチェーンの構想が説明されています。
QASHはまずは、イーサリアムのERC-20トークン・スタンダードをベースに構築されます。
(中略)
すべてのQUOINEサービスはQASHブロックチェーンに移行される予定であり、また、ERC-20をベースとする既存のQASHは、QASHブロックチェーン上で新たに創出されるQASHトークンと交換される予定です。
まとめると、以下のように書かれています。
もともと使用されていたブロックチェーンERC-20を、2019年2QにQASHブロックチェーンに変更する
その後、栢森CEOブログの2018年7月14日(土)の週報で以下の発表がありました。
1. 名称変更、Liquidへの統一
今回、統合プラットフォームとなるLiquidをローンチするにあたり、他サービスの名称も統一することにしました。
QASHトークンはLiquidトークン、そして、並行して開発しているブロックチェーンはQASH BlockchainからLiquid Distributed Ledger(LDL)に名称変更します。
変更のタイミングは、Liquidプラットフォームのローンチ時になりますが、これも関係当局に確認をとりながら進めていきます。
まとめると以下のように書かれています。
・開発中のQASHブロックチェーンの名称をLiquid Distributed Ledger(LDL)に変更する
・QASH(トークン)の名称をLiquid(トークン)に変更する






改めて整理すると、最終的にLiquidに統一されます。
プロジェクト名:Liquid
プラットフォーム名:Liquid(取引所機能もQUOINEX→Liquidに変更完了)
トークン名:QASH→Liquid(トークン)※変更予定
トークンのブロックチェーン名:QASHブロックチェーン→Liquid Distributed Ledger(LDL)※変更予定
運営会社名:QUOINE
【2019年Q3(7月~9月)】 正式な銀行免許
2019年Q3、最終的に銀行免許の取得を目指しています。
仮想通貨取引所が銀行免許を取得するのはこれまでにないケースで大変難しい印象を受けますが、実現すれば日本円を銀行口座から仮想通貨取引所口座に入金するなどの手間もなくなるかもしれません。
それだけにとどまらず、想像できないほどのメリットが生まれるでしょう。
QASH価格の推移
2017年11月のICO直後
QASHは、2017年11月21日にQUOINEX(現在のLiquid)に上場しました。
上場前のトークンセールで約27円、上場直後は60円前後の値が付きました。
QASHの人気で知名度も上がり、11月末には約137円まで上がっています。
2017年12月~2018年10月現在まで


















QASHは今後上がるのか?将来性は?









だからLiquidがどうなっていくのか。世にどう受け入れられるのかが重要よ。
将来性を左右しそうな情報をまとめてみたわ。



QASHの将来性を左右するQUOINE社・Liquidの情報
・金融とIT技術250年分の経験(優秀な経営チーム)
・日本で初めて金融庁の認可を受けた取引所
・取引所開始(2014年)から1度もハッキングを受けていないセキュリティの強さ
・世界最大級の取引所「BINANCE」との戦略的パートナーシップの締結(2017年)
・銀行免許の取得に向けた動き



BINANCEとのパートナーシップが今後どう動くか、Liquidの完成、銀行免許も実現すればかなり追い風だと思うの。



柏森CEOのブログやYouTubeなどでロードマップの進捗やLiquidの技術などを説明をする姿勢も好感が持てますね。
QASHはLiquid(旧QUOINEX)取引所で買おう
QASHの購入は、QASHの発行元・QUOINE社が運営するLiquid by QUOINE(リキッドバイコイン、通称リキッド)での取引をオススメします。
ポイント
もともとはQUOINEX(コインエクスチェンジ)として運用していましたが、上述の通り2018年9月のリニューアルしました。
Liquidを勧める理由は主に3点です。
- 唯一、日本円(JPY)でQASHが買える
- 万全のセキュリティ
- 金融庁認可の取引所
Liquid以外にQASHが購入できる取引所は9社ですべて海外にあります。
以下は一例ですが、
これら取引所は以下のようなハードルがあり、取引ができないケースもあります。
・そもそも日本居住者が使えない
・過去にハッキングにあっている
・日本語対応していない
でLiquidは2014年の取引所開設から1度もハッキング被害を受けていないので、安心感をもって取引ができます。






QASHのまとめ
・QASHはQUOINE社が掲げるLiquidプロジェクトの実現のために発行された仮想通貨(トークン)
・金融庁が認可した取引所が実施する日本初のICO
・資金調達額は122億円(2017年当時で世界5位のICO調達額)
・QASHを発行するQUOINE社の経営メンバーは、金融とIT技術の合計250年分の経験を持ったエリート集団
・Liquidプラットフォームは仮想通貨の流動性をよくする
・QASHを持っているとLiquidプラットフォーム内で取引手数料割引などのメリットがある
・QASHトークンは今後Liquidトークンに名称変更する
・銀行免許の取得を狙っている
・QASHの購入にオススメの取引所はLiquid(唯一日本円でQASHが買える)
いかがでしょうか。
QASHやLiquidプロジェクト、そしてQUOINE社の説明に力が入ってしまい長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事がQASHの知識の底上げになればうれしい限りです。