



2019年になりステーブルコインの種類は増えています。
この記事では、ステーブルコインが何のためにあるのか?などいま話題のステーブルコインについてご紹介します。
目次
ステーブルコインとは
ステーブルコインは価格が一定でボラティリティ(価格の変動性)がなく、決済や送金、預金などに使いやすい仮想通貨です。
ビットコインをはじめとする仮想通貨はボラティリティが高いため、投資や投機目的で買われる一方で、決済や送金には向いていませんでした。
そんな問題を解決するために、ブロックチェーン技術のメリットを生かしつつ、価格変動のデメリットをおさえたステーブルコインが登場しました。
ステーブルコイン誕生の背景
ビットコインをはじめとする仮想通貨は送金や決済を速く手軽に安全にするために登場しましたが、ボラティリティが大きく決済や送金、預金に活かすのは難しく実用性に乏しいとされていました。
また、国や政府の管理下にない非中央集権の思想が魅力とされる一方、何の担保もないことがボラティリティの大きさを生み出す要因となっていました。
そんな中仮想通貨の利便性を保ちながら、法定通貨(円やドルなど)のように価格の安定性がある通貨が求められるようになりました。
そこに登場したのがステーブルコインなのです。






最も有名なのはテザー(USDT)
ステーブルコインは2018年に続々と誕生し、現在では30種類を超えるステーブルコインがあります。
中でも最も有名なのはアメリカのテザー社が発行するテザー(USDT)です。
テザーはドルペッグの仮想通貨として初めて発行されました。
ポイント
為替レートを米国ドルと連動させること。
米ドルに連動するため、1USDT≒1USDとしてほぼ等価で価値を保てるのです。
テザーはBinance、Huobi、Bitfinexをはじめとする大手取引所で続々上場し、圧倒的な人気を誇っています。
テザーが仮想通貨取引所に上場するメリットは、取引所にドルを送金する手間や手数料が省けること。
なお、USDTは完全にドルと連動しているわけではありません。
仮想通貨全体で価格が暴落すると、USDTも一時的に価格が暴落してしまう可能性があるため注意が必要です。
テザーのチャート・価格
上場当初は価格の変動がありましたが、基本的には1USDに落ち着く形で収束しています。
時価総額はステーブルコインながら、1000種類以上ある全仮想通貨の中で5位とTOP5に食い込んでいます。
価格はしっかり連動していて1USDとなっています。
ステーブルコインの種類
ステーブルコインは法定通貨や仮想通貨にペッグ(価格連動)されるタイプと、ペッグされないタイプがあります。
一般には下記の3パターンに大別されます。
- 法定通貨担保型(ペッグ型)
- 仮想通貨担保型(ペッグ型)
- 無担保型
法定通貨担保型
ステーブルコインの第一世代にあたるのが法定通貨担保型です。
米ドルや日本円などの法定通貨のほか、金や原油を担保としている場合も法定通貨担保型に含まれます。
ポイント
テザー(USDT)、TrueUSD(TSUD)、DigixDAO(DGX ※金が担保)、ペトロ(Petro ※原油が担保)など
法定通貨担保型は分かりやすい仕組みですが、実際に発行枚数と同じ額の担保(準備金)が用意されているかは明確でないことが懸念です。
実際にテザーもこのような疑惑をかけられています。
仮想通貨担保型
仮想通貨を担保とする仮想通貨担保型は、第二世代ステーブルコインと呼ばれています。
第一世代の法定通貨担保型とは異なり、国や政府の規制による閉鎖のリスクが少ないメリットがあります。
ポイント
Dai (DAI) 、Havven(HAV) など
DAIは仮想通貨でテザーと同じで米ドルと連動していて価格変動が少ない仮想通貨です。
DAIがテザーと異なる点はイーサリアムのプラットフォームを利用して作られていること。
とはいえ価格の安定を目的に開発されたステーブルコインの担保が価格の不安定な仮想通貨では矛盾があるといえます。
なるべく仮想通貨の価格変動の影響を受けないためにスマートコントラクトのアルゴリズムがありますが、想定通りに働かなかった例もあります。
そのため、結局は担保となっている仮想通貨の価格の動きに影響を受けてしまうのがネックになっています。
無担保型
無担保型は、スマートコントラクトが中央銀行のように買いたい人と売りたい人のバランスをとり価格の安定をはかる第三世代のステーブルコインです。
Basis、Sagaが有名で一般的に使われている通貨に性質がよく似ているため、仮想通貨が世間に通貨として広まるためには無担保のステーブルコインが必要だとされています。
【日本円が担保】日本発のステーブルコイン
日本円を担保にしたステーブルコインは次の2つです。
- LCNEM
- GMO Japanese YEN
それぞれの特徴をみていきましょう。
LCNEM
LCNEM(エルシーネム)はNEMウォレットを開発したLCNEM社が発行する、世界初の日本円担保のステーブルコインです。
NEMの独自トークン発行機能を使ってコインが発行されます。
日本円での前払い決済となり、プリペイドカードのようなシステムになっています。
GMO Japanese YEN
仮想通貨の決済領域への参入を見据えての動きです。
GMO Japanese YENは2019年度を目処にアジア地域へ向けて発行開始の予定です。
ステーブルコインのメリット
ステーブルコインのメリットは資産の価値を守れる点です。
安定しない価格の安定化を図ったのがステーブルコインです。
仮想通貨の価格が暴落しても、ステーブルコインに自分の資産を避難させることでリスクを回避できます。
また、発展途上国のように突然の物価上昇などインフレで価格が高騰しがちな環境にいる人にとっても魅力があります。
ステーブルコインのデメリット
中央集権型のステーブルコインは、発行元の信頼によって価値が下がるデメリットがあります。
ステーブルコインとしての性能の悪さや、担保準備への不信感などにより発行元が信頼を失うと、ステーブルコインの価値がゼロになってしまう可能性があります。
ステーブルコインの将来性
ステーブルコインの将来性に関わるポイントを2つ紹介します。
テザー問題の解決
テザー社は2018年6月までに約275億円分のUSDTを発行していますが、十分な米ドルの準備金を保有していないのではないかという疑惑がかけられています。
そのため、テザーからビットコインへの資金移動される現象もみられています。
ステーブルコインが普及するには、発行しているコインの担保(保管されている法定通貨などのな資産)を開示するなど確認可能な仕組みを作るなどで、発行元の信頼性を担保する必要があります。
日本発のコインの普及
日本円ペッグのステーブルコインはまだまだ発展途上段階です。
仮想通貨の法整備が進み、日本国内の流通量が上がることで、仮想通貨並びにステーブルコインの普及が見込めるかもしれません。
ステーブルコインを扱う取引所
ステーブルコインは多くの海外取引所で上場していますが、特にBINANCE、HitBTC、BITTREX、Upbitが多くのステーブルコインを取り扱ってます。
ステーブルコインを取り扱う取引所は引き続き徐々に増えてきており、10月にはコインベースでUSDC(ドルペッグのステーブルコイン)の取り扱いが開始しました。
また、Huobi、OKExでも新たに4種類のステーブルコインの取り扱いが始まっています。
ステーブルコインを購入するには
上述の通り国内の取引所では扱いがないため、海外の取引所で購入する必要があります。
具体的には、下記の流れで購入します。
1.国内の取引所でビットコイン(イーサリアム)を購入する
2.購入したビットコイン(イーサリアム)を海外の取引所に送金し、ネオを購入する
国内取引所でビットコイン購入
国内取引所でビットコイン(イーサリウム)を買うステップです。
海外取引所に送金が必要なため、送金手数料が安い取引所を選ぶのがポイントです。
送金手数料が無料の取引所は、BITPoint、GMOコイン、Liquidです。
海外取引所にビットコイン送金
ステーブルコインを購入する海外取引所は、取引手数料が安いBINANCEがオススメです。
海外取引所の手数料は0.15~0.25%が多いですが、バイナンスの手数料は全通貨共通で0.1%です。
BINANCEは100種類以上の通貨を扱う、取引高が世界でトップクラスの取引所で日本人にも人気があります。
もともと日本語で日本向けの展開もしていましたが、金融庁の規制により現在は日本向けにはサービス展開していません。
ステーブルコインまとめ
- ステーブルコインはボラティリティが高い仮想通貨の欠点を補うために誕生した仮想通貨
- 法定通貨担保型/仮想通貨担保型/無担保型の3種類がある
- 最も有名なステーブルコインは米ドルペッグのテザー(USDT)
- BINANCE、HitBTC、BITTREX、Upbitなど多くの取引所で上場している
- 発行コイン分の担保(準備金)があるのかが不明瞭だという懸念点がある
- 日本円ペッグの通貨(LCNEM、GMO Japanese YEN)もある
- 仮想通貨の価格が暴落しても、ステーブルコインに自分の資産を避難させることでリスクを回避できる
いかがでしょうか。
仮想通貨と法定通貨のいいとこどりをしたステーブルコイン。
担保、準備金が明確になれば信頼性が上がり普及していく可能性も上がるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。